私たちの世界の片隅には、フィギュアだけの物語があります。
フィギュアたちの世界はとても狭く、彼らはご主人様であるあなたの感情に一喜一憂してしまいます。彼らにとっては主人こそが世界の全てなのです。
しかし、同時にフィギュアの世界はとても広いです。主人が留守のとき、彼らは窓から飛び出し、人間の世界での大冒険に出かけます。
そんな世界でフィギュアとして存在する優紀は、長い間自身の仲間と主人と共に、幸せに暮らしていました。
しかし、邪悪なフィギュア組織の出現で、彼らの平和な生活は壊されてしまいます。大量のフィギュアが理由もなく姿を消し、それぞれの主人とは別れを余儀なくされた他、その夢までもが打ち砕かれてしまいます。そして、事件に巻き込まれた優紀が邪悪な組織の調査を始めると、思わぬ真実が明らかになり……
過去と現在という二重の選択を前に、優紀は一体どんな答えを選ぶのか？事件に巻き込まれたフィギュアたちの運命とは一体？
「一緒に過ごした記憶が消えるその瞬間でも、あたしはただ、ご主人の名前を覚えていたいんだ。」
