ワザップ!

マイマイ=ホルン
一人称､僕(又はボク)

初等科6年次の少女｡

ミアフィレスの後輩､四天王のひとり｡

基本的に目上のひとには姓+先輩呼びだが､
如何言う訳だか､理久だけはフッカツ先輩
(復活先輩)と､矢鱈楽し気に呼ぶ｡

ミアフィレスの事はミアフィレスさま
若しくはミアフィレスおねぇさまと呼ぶ｡
(※ミアフィレスの呼び方は他の3人の
四天王も共通)

準魔導療法士としての神器は2振りの扇｡

ミアフィレス=アリア
3/21
一人称､妾(わらわ)
語尾､ぢゃ&のぅ
家族構成､両親&姉2人(學年不詳)

中等科2年次の少女｡
齢13にして､異堕転と呼ばれる
特殊な状態異常を専門的に診て呉れる
魔導療法士｡準魔導療法士の後輩4人
(通称四天王)と2人の姉と共に､學薗から
与えられた一室にて異堕転を患った
生徒を診て居る｡キヨシロウと理久は
境遇此そ違えども異堕転発症者で在る故､
彼女達による定期診察が欠かせ無い｡

妙に貫禄を感じさせる様な喋り方が特徴｡
稀に顰めっ面でさらっと恐ろしい事を言う｡

第6章

タイトル未定(3)

天架掛 ムズミ
｢シルク､リク､よく此処迄辿り着いたね｡
キヨシロウから話は粗方聞いて居る｣

シルク
｢ムズミ養護教諭､リクが…!｣

ムズミ
｢む､此れは…一寸待ってて｡
あ､もしもし､ナゴミ姉ぇ｡急患何だ､
一寸ナゴミ姉ぇのチカラを貸して欲しいん
だけど…了解｡…今からナゴミ姉ぇが来て
呉れるから診て貰おう｣

ムズミ養護教諭は妹1人に姉3人の5人姉妹だ｡
内､ナゴミ養護教諭は姉3人の内の3番目｡
ムズミ養護教諭の家系は典型的な回復呪文
特技型でムズミ養護教諭はマインドカウンセ
リングを得意とする｡

天架掛 ナゴミ
｢あら…リク君…其の胸…｣

シルクはナゴミ養護教諭の発言の意図が
理解らず首を傾げて居たが
ナゴミ養護教諭から借りたスコープで
リクを診たシルクはやっと理解する｡

シルク
｢リク…ココロにマドプラントのタネが
植わってたのか…｣

ナゴミ
｢萎れては無いけど急に発芽して蔓を巻く
様に伸びて居る様ね｣

円で誰かへの想いが溢れた物が
肥料に成り過ぎたみたいな…｡

ナゴミ
｢参ったわね｡ココロの中のマドプラントの
周囲に雑草が生えてるとかマドプラントが
萎れてるとかだったらわたしが対策出来るん
だけど｡此の伸び速度と長さと強度じゃ
無理に剪定する何て…わたしには出来っこ
無いわ…｣

シルク
｢其んな…ナゴミ養護教諭ですら手の
施し様が無いだ何て…｣

ナゴミ
(マドプラントは伸び方だけは真っ直ぐ
だけど蔓がかなり渦を巻いてるわね…
如何してかしら…)

第6章

タイトル未定(2)

元居た世界でも翔天界でも
仕事運が好調で在る事に変わりは無い
キヨシロウ｡

其れはさておき問題なのは
キヨシロウのツカイマで在る
アカネミタラヰ シヱリの方だ｡

キヨシロウひとりで相当な額を出せるが
シヱリも元居た世界でも翔天界でも
マドビジネスで一寸手荒い稼ぎを得て居り
其れを善意のみ(※薬の購入は無し)で醒儷に
渡して仕舞って居る｡

キヨシロウはリクに伝えるべきか悩んだ｡
自身と其のツカイマが醒儷の行方不明
疑惑に絡んで居る可能性が有ると言う事を｡

醒儷本人から直接何が有ったのか聞くのが
良いのかと｡

第6章

タイトル未定(1)

セイラが独りで終い仕度を進めて居るのと
同時刻の中庭｡

キヨシロウはリクのカギバリのトドメ
無くして如何にか奇妙なマドリリアを
全て解(ほぐ)した｡

膨大な量の黒や茶や灰の糸は
自ら意思を持って居る様で､
宙に浮いた儘の状態で三つ編み状に
編み込まれてキヨシロウの手に落ちて来た｡

其の糸は､キヨシロウにリクの想いを
伝えた｡

(…な…漆汐さんが…行方不明疑惑…?!)

キヨシロウはふたつ思い当たる節が有った｡

キヨシロウは何かと体調不安定と言うか
悪意に冒され易い傾向に在り､其の常備薬
として醒儷から彼る薬を言い値で買って居た｡
因みに具体的には笨薗での醒儷の稼ぎの額の
計と同額を一度に出せる｡

第5章

雷運上々

セイラは独り
新たに展開したフィールド(=自陣)にて
何やら色んな物を作製中｡

如何も､天に雷を撃たせる為の事前準備の
様だ｡

此れがセイラの掛け替えの無い生命を
自ら絶つ為の終い仕度｡

今の彼女にエンディングノートを
残そうと言う考えは恐らく微塵も無い
だろう｡

何故なら､彼女は
訳有って爆発的に上昇した運が要因で
精神的に追い込まれて仕舞い､
自身の名前が翔天界(とてんかい/
=みはダ世界)に残される事が嫌だから
で在る｡

セイラの手には白無地のカードが
デッキの如く整頓されて握られて居り､
其処に自身が得意とするイラストを描いて
実体化させて居る様だ｡

セイラ
(…未だ…未だ未だ…足り無い…もっと…
沢山…創ら無きゃ…あたしは…逝け無い…)

第4章

ひとをおもいながらあむ

其の日の昼下がり
芬薗の中庭のベンチで独り考え込むリク

リク
(何かミアフィレスさまの様子が可笑し
かったな､と言うか其も其も何でミアフィ
レスさまは漆汐先輩を捜してんのやろ?
漆汐先輩て明るくて気さくで､数ヶ月
前の俺みたいに悪事を働き其うな気は
見受けられんしなぁ)

シルク
｢…ク…､リク! 確りして!｣

ゆさゆさ､とシルクが激しくリクの肩を
揺さぶる｡

リク
｢ほわ?! シ､シルク?! 何で此処に?!｣

シルク
｢…リク 若しかして何か物凄く
考え込んでた? 見てみなよ自分の周囲を｣

シルクがリクの周囲をぐるっと指差す｡
すると其処には

リク
｢うわぁぁぁぁぁ?! 何や此れぇ?!｣

誰にも視る事が出来無い筈だった
"マドウリョクノイト"で編まれた
ひたすらに長い物は芬薗に居る生徒に
目撃されて居るだけで無く生き物の
様に怪しく蠢いて居た｡

シルク
｢…リク 如何したの? 何か悩みが有るなら
聞くよ? 勿論､口外は駄目絶対で｣

リク
｢実は…｣

シルク
｢(小声で)成る程…漆汐先輩の
行方不明疑惑か…何だか良からぬ気配が
するね…で奇妙な此れ等は漆汐先輩の
事を想うがあまりにって感じか………｣

リク
｢嗚呼…､漆汐先輩の事だけをずぅっと
考えててな…其したらマドリリアが
此んな化け物染みた物に成ってしもた…
後でカギバリで元に戻すけど…後で…｣

化け物染みたマドリリアを編み込んだ
反動か気力が奪われまともに動け無いリク

其処へ騒ぎを聞き付けたキヨシロウが
遣って来て
｢深津君? 大丈夫かい? 此処は僕に任せて｡
ー(←シルクの姓)君､深津君を保健室へ!｣

シルクは無言で頷くとリクを支え為がら
保健室へと向かって行く

キヨシロウは自慢の長杖で華麗に
応戦しつつも

(ミアフィレスさま…深津君に一体何を
仰有られたのでしょう…?)

第3章

ミアフィレスさまの経過観察

翌日､芬薗寮の"ミアフィー'S保健室"｡

ミアフィーとはミアフィレス=アリアの
愛称で在る｡

笨薗にも同名の一室が有るが
最近は芬薗に通うキヨシロウやリクの
一件から芬薗にも同じ物を手配して貰って
居る｡

保健室ではミアフィーと其の姉2人と
4人の後輩達が各々の得物を構えて
リクを待って居た｡

ミアフィレス
｢よく来たのぅリクよ
さぁさ此方へ｣

少し古風な喋り方をするのがミアフィー
(ミアフィレスさま)ことミアフィレス=
アリアで在る｡

マイマイ=ホルン
｢どしたの～フッカツ先輩?｣

リクはシルクとの一件から何故か
マイマイからはフッカツ先輩と言う渾名で
呼ばれて居る｡

リク
｢…マイマイはん…フッカツ先輩て呼ぶのは
止めぇて彼れ程言うて来たのに…まぁ良ぇか
本人は何か滅茶苦茶楽し気やし｣

リクはマイマイからまともにフカツ先輩と
呼ばれる事を泣く泣く諦めた｡

リク
｢昨日から､此の辺りに違和感が有って
困っとるんですわ｣

ミアフィレスの姉1
｢ホシホシちゃん､如何? "濁り"は視える?｣

白羽をホワイトニングする為の神器を
構えたホシホシ=ミュージカルは､
リクを凄い形相で睨み続けて居たが､
ふぅ､と一息吐くと､此う言った｡

ホシホシ
｢彼の一件から､リクさまの白羽に濁りの
気は一切発され無かった様ですわ｡
物凄く綺麗な白羽ですわ｣

ジンジン=ナチュラル
｢あらら｡マイマイとあたしは御役御免ね｣

マイマイは扇で､ジンジンは風車で
異堕転を如何にか出来るが､ホシホシが
必要無いと言った為今回は出番無し｡

ミアフィレスの姉2
｢ハルノカちゃん…如何?｣

ホシホシに続いて､
ハルノカがリクを診る｡モノクルを
通してリクが示した部分に在る物を診た
ハルノカはリクに此う伝えた｡

ハルノカ
｢御安心を｡此れは病気では無く
マドプラントのタネですね｣

リク
｢マドプラントて?｣

ミアフィレス
｢簡単に言う成らばリク
御主のココロノハナと成る植物ぢゃ｣

ジンジン
｢マドプラントは宿主で在る者の心境
変化で成長するの｡ハルノカが診た限り
植わったばかりで此れからの成長が楽しみ
って所かしら｣

其れを聞いたリクはへなりとチカラが
抜けた｡

リク
｢良かった､何か深刻な病気とかや無くて｣

ミアフィレス
｢其うぢゃ､リクよ
最近芬薗内でセイラを見掛けて無いかのぅ｣

リク
｢へ? 漆汐先輩を? いや､見掛けてまへんけど｣

ミアフィレス
｢其うか､協力に感謝する｣

リク
｢?????｣

第2章

リク ノ イワカン

一方

アオイが行動を起こしたのと同時刻の

みいはる學薗・芬薗寮
リクこと深津 理久(ふかつ りく)の部屋｡

彼は就寝する前に
自室のパソコンを通じて
此の世界でも芬薗寮にて男子生徒寮の長を
務める中等科3年次のアスマミタラヰ
キヨシロウ先輩に"相談"に乗って貰って居た｡

キヨシロウ
｢深津君､君はココロに違和感を感じた
と言って居たね｡具体的には何(ど)んな
感じ何だい?｣

キヨシロウが訊ねるとリクは胸に手を
当てて此う伝えた｡

リク
｢何て言うんやろうなぁ｡
此の辺りに小さいけど重い物(もん)が
有って､其れがうずうずしとる様な気が
するんや｡気分が悪いとかでは無いん
やけど､何か落ち着かんくて困っとって｣

キヨシロウ
｢余りにも気分が高揚する様なら､
マドジュエル(※詳細は検討中)のチカラを
頼ると良い｡念の為､明日､君の主治医でも在る
ミアフィレスさまに保健室で診て貰おうか｡
予約は僕が手配して措くから｣

リク
｢有り難う御座居ます､寮長｡
就寝前にすんまへん｡ヘンテコな相談に
親身に乗って貰(もろ)て｣

キヨシロウ
｢寮生が至って健全な
みいはる學薗での生活を送れる様に
最大限の配慮をするのが僕の務めだからね､
此の位は御易い御用だよ｣

ミアフィレスさまこと
ミアフィレス=アリアは､
キヨシロウやリクの様な
"異堕転(ヰダテン)"と呼ばれる
特殊な状態異常に纏わる事を診て呉れる､
中等科2年次の少女｡齢13で在り為(な)がら､
一流のマドウ療法士で在り､笨薗(ほんえん)
にて保健委員会の総合委員長を任されて
居る､凄いひとで在る｡

本人も凄いが四天王と呼ばれる彼女の
後輩達も準マドウ療法士の資格所有者で
在り､彼女の支えと成って居る｡

第1章

アオイ ノ イノリ

デジモンゴーストゲームの世界から
遣って来た者達が､

みいはる學薗の"芬薗(ぶんえん)寮"に通い
始めてから､初めての冬｡

新月の晩に､アオインこと宇田川(うだがわ)
アオイの下に､

セイランこと漆汐 醒儷(しちせき せいら)
から､一通のメールが届いた｡

其処には､
｢アオイン 如何(どう)し様｡あたし
もう ココロが 限界を迎えちゃった｡
独りじゃ 堪(こら)えきれ無い｡｣
とだけ､書かれて在った｡

アオイ
｢!｣

因みに言って措(お)くと
セイランこと醒儷は断じて苛めの被害に
遭う様な娘(コ)では無い｡
意外な理由で追い込まれて居るのだが
其れは後々語るとして｡

アオイ
(…正か "彼(あ)の事"で…?
待って…待って､醒儷! 如何か早まら無いで!
誰か…誰か…! 自分の代わりに醒儷を助けて
あげて…! 重く苦しい責から…醒儷を助けて
あげて…!)

アオイは机の引き出しからノートを取り出し
最後の頁(ページ)を破ると､マドウ数学の
授業で使うコンパスを用いてマドウ陣円を
描き､其の中心に｢醒儷SOS｣と書いて
紙飛行機を折り､芬薗寮の自室の窓を開けて
其処から飛ばした｡

アオイ
(自分の持つ自流系統ではセイランを救え
無い｡だから､見え無い新月に宿る聖魂
(フェアリー)に願いを託すわ｡御願い…
心優しきひとに…此の祈りを…届けて!)