DQM
~天才科学者の血を継ぐ者~



人類最大にして狂気の頭脳を持つ科学者。

ー『Dr.デロト』。

その科学者の名前である。

肌も凍る様な寒い雪国にその身を置き、雪が積もる草原の地中に骨を収めた彼の生涯発明した機械は、猟奇的かつ冷徹な思考の殺人マシーンばかりだった。

生命ある者を次から次へと殺戮するだけのそのマシーンは、デロトによって『キラーマシン』という名前がつけられた。

キラーマシン開発後も、デロトはキラーマシンの改良を進め、『キラーマシン2』、『キラーマシン3』と、キラーマシンは進化をし続け、世界各地の冒険者達を苦しめ続けた。

しかし、最恐の科学者といえど、生きていればいずれ老いが訪れる。

キラーマシンの成長と共に、死期は刻一刻とデロトの中で刻んでいた。

自身の死の直前、彼はメモを残した。

シワだらけの震えた手で彼は羽ペンを持ち、羊皮紙に最期の言葉と共に、未来の遺伝子に向けて文を綴った。

『私の遺伝子を継ぐ者よ。
私の発明は、私の力では真価を発揮できなかった。
もし君が、私の発明に、殺戮以外の何かを見出だしたのなら、それを追い求めてくれ。
狂気は、希望と共に。』

そのメッセージは、時代を越えて、雪国より遠い東邦の国……。

……日本に、伝えられた。