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プサイ

特殊諜報部隊 Human Alive

雑談

レス:135

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    プサイ No.11264496 

    引用

    弾切れを起こす寸前で増援は止まった。
    実際、アリス以外全員近接戦闘だったため、影響は薄かったのだが。

    「休んでる暇は無いわ。イエドの所へいきましょう!」

    俺らは一気に15階まで駆け上がった。
    15階には大きなホールがある。

    「よし、ドアを開けるわよ」

    アリスがドアを開くと一斉に5人が入った。
    ステージにはイエドが立っている。

    「皆さん、お待ちしておりましたよ。
    この爆弾と一緒に」

    イエドは爆弾を見せてきた。

    「イエド!ここで決着をつけるって事?」

    「・・・・・・!?ミスアリス、腕が元通りですね。
    もしや例の力が手に入ったと?」

    「そうかもしれないわね」

    「そうですか・・・・・・まぁいいでしょう。
    いい加減このお遊びも終わりにしましょうか」

    イエドは手に持っているスイッチを押した。

    「10分です。10分間で決着をつけましょう」

    「レイ、あなたなら爆弾を凍らせるんじゃない?
    突撃して爆弾をなんとかして!」

    レイが飛び出すと同時にイエドはスイッチを見せてきた。

    「なるほど。今すぐ爆発が見たいのですね?」

    「アリス、グレネードランチャーを——」

    「ダメよ、イエドの近くは酸素が充満してるって言ったでしょ!?
    それにイエド自身、ここに長い時間いるからきっとこのホール中充満しているわ」

    「なら、一つ提案がある」

    「何?」

    「イエドの過去のトラウマって何だ?
    レイの時みたいにできるんじゃないか?」
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    プサイ No.11265385 

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    「あー、情報なら我に任せろ。
    だが結論から言えば無理だ。
    ここに部屋に充満させるほどの大量の一酸化炭素があるなら話は別だがな」

    「おいクソシオン!そりゃどういうことだ!?」

    「クソシオンとはなんぞ!?
    とにかくくどくどと説明している時間はないだろう?」

    「その通りですよ。
    残り9分です。
    それにホールのドアはきっちり閉めさせていただきました。
    今更警官隊が来ても仕方が無いですね」

    「あの人(軍トラの運転手)応援を呼んでくれたのか・・・・・・」

    (以下ひそひそ声)

    「お嬢様、イエドがここに来て最高何時間が経過していますか?」

    「さぁね?多めに見て2時間じゃないかしら」

    「辺様、イエドの酸素放出量は一時間どれくらいか分かりますか?」

    「流石の我もわからぬ・・・・・・」

    「お嬢様、M4の弾をください」

    「撃つつもり!?爆発したらどうするのよ!?」

    「一か八かです。
    このままだと不利な状況が続き、10分が経過してしまいます」

    「志月、一か八かもなにも無理だろ?引火したら——」

    「前嶋様、大丈夫ですよ。
    イエドが来てから2時間程度では爆発するほどの酸素は溜まっていないはずです。
    それに、私が狙っているのは爆弾そのものではなく
    彼が持っているスイッチです」

    アリスが志月にマガジンを渡し、志月は装填する。
    志月はAliverのスコープを除き、狙いを定めている。

    「できれば注意をそらしてください」

    (ひそひそ終了)

    「うぉい!イエド!」

    「ミスアリスの連れの方が何のようですか?」

    「前嶋様、もう十分です」

    言うが早いか志月は撃った。
    見事手に持っていたスイッチは吹き飛び、ステージの下に落ちてしまった。
    損傷の具合からもう使え物にならないに違いない。

    「・・・・・・フフフ、油断しましたね。
    あと8分です。どう時間を稼ぎましょうか」

    イエドはP8を取り出す。
    ・・・・・・多分映画館の時に盗られたやつだ。

    「そうですね・・・・・・私の過去について説明しましょうか。
    言い換えればCyborg soldier社に居続けた理由を」

    全員がハッとしたようだった。
    勿論俺も。

    「是非聞かせてもらおうかしら」
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    プサイ No.11266864 

    引用

    「では、まずはこの力。
    酸素を発生させるという事。
    先に言えば私はユダヤ人の血を引いています」

    「ユダヤ人?ああ、ソ連で迫害にあった・・・・・・」

    「その通りです。その生き残りの子孫です」

    「なんだか話が読めてきたな・・・・・・」

    「さて、どこから話しましょうか・・・・・・」

    「お前のトラウマは?」

    「一酸化炭素、すなわちガス室です」

    「ほ・・・・・・ほら言っただろ!?一酸化炭素って!」

    「シオン、黙ってろ。
    イエド、続けて」

    「ちょっと待った、お前まだ20歳行ってないだろ?
    ナチスのユダヤ人迫害はとっくの昔だ。関係ないだろう?」

    「それが愚かな考えなのです。
    私は、ユダヤ人の血を引いている、たったそれだけの理由で
    危うく一酸化炭素中毒死するところだったのです」

    「そんな馬鹿な!?」

    「とりあえず話を聞いてもらえますかね?
    これは黒歴史です。
    現地に行かないとわからない『現状』なのです。
    迫害が終わったと『表の歴史』では説明しているようですが
    その子孫達が受けている被害は表には出ないのです」

    あれ・・・・・・なんだこの流れは・・・・・・

    「私が8歳の頃、元ソ連兵を名乗る男に突然連れ去られました。
    私はスタンガンで気絶させられ、気がつくと何処かの風呂場に居ました。
    目の前には一酸化炭素と書かれたふたがされていない大きな缶がおいてあります。
    よく覚えています。徐々に、徐々に苦しくなっていく。
    それでも誰も来ない。
    むしろ外からは笑い声。
    あの最低な人間の笑い声」

    「だからこうして人を苦しませると?」

    「あなた方に分かりますか?
    一酸化炭素で生死をさまよう苦しさが。
    助けに来るどころか笑い、罵り声が聞こえる辛さが!」

    「で、結局どうなったんだ?」

    「私にも分かりません。
    脱出を試みようと思った時にはもう意識はありませんでした」

    「じゃあどうして生きている!?」

    「Cyborg soldier社ですよ。彼らが助けてくれたんですよ。
    気がつくと実験室にいて、彼らは話しかけてきた。
    『人間どもに仕返しをしないか?』と。
    断る理由が無かった。
    あんな恐怖を見たのだから。味わったのだから」

    「酸素との関連性は?」

    「あの風呂場、非常に換気が良くなかったです。
    そりゃそうでしょうけど。
    あの時必死に思いました。
    酸素が欲しいと」

    「なんか作者が無理やり繋げた感じがあるな」

    「じゃあ一度味わいますか?
    一酸化炭素が充満した部屋でどれだけ酸素が欲しくなるかどうかを」
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    プサイ No.11268871 

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    イエドは一度ステージから離れたかと思えば、何か怪しげなタンクを運んできた。
    そこにはCO(一酸化炭素)の文字が・・・・・・

    「な・・・・・・!?」

    「カズ!?どうして怒らすような事を言うのよ!」

    「私の目的は爆破で人を殺す事じゃない。
    毒ガスで人をじわじわと殺す事!
    私の最後の任務だという事で特別にこれを使う許可をいただいた」

    突然放送が入る。

    「人は冷静さが著しく切れる瞬間があります。
    前嶋様、1つ目を教えてあげてください」

    「志月か!?
    えっと・・・・・・怖い時?」

    「そうです。レイお嬢様、2つ目はご存知でしょうか?」

    「性的な瞬間」

    「んな時にふざけるなよ!変態が!」

    「正解です」

    「えぇ!?」

    「3つ目、なんだか分かりますかね?イエド様」

    「白沢さんですか?いや、志月さんですか?
    私をこれ以上怒らすような事をしないでください。
    私だってこのタンクを——」

    「正解ですッ!」

    いつの間にかイエドの背後に回っていた白沢がイエドに全力の回し蹴りを食らわした!
    電車の時と同じように体格の小さいイエドは普通に地面に叩きつけられた。

    「3つめ、怒っている時です。
    あなたは私がいつの間にか居なくなり
    背後に回っている事にちっとも気がつかなかった。
    あなたが怒りすぎて前嶋様に気が全て行ったからですよ」

    爆破スイッチがなく、タンクからは遠ざけられ、完全にイエドは詰んだ。
    俺らはイエドに近寄った。

    「ど・・・・・・どうして私ばかりこんな目に・・・・・・」

    イエドは突然涙目になった。

    「自業自得だろうが」

    「私は・・・・・・私は・・・・・・裏切られたんですよ!Cyborg soldier社に!」

    突然アリスはハッとした。
    レイも驚いているようだった。

    「だから・・・・・・だから!
    最後の任務だからって一酸化炭素を・・・・・・!
    私はいつも言っていた。
    爆破依頼じゃなくて、毒ガスで苦しめさせたいと!
    だけどあの御方はお前の能力では無理だと!
    酸素が出るようでは一酸化炭素など意味無いと!
    所詮私たち社員はただの駒なんですよ。使い捨ての駒!」

    全員が唖然としていた。
    これがCyborg soldier社の正体なのだ。
    これが裏社会の現状なのだ。

    「ミスレイ、ミスアリス、あなた方は幸運です。
    Cyborg soldierから逃げられたのですから。
    ですが新たな社員も次々と入っています。
    Human Ruinもいます。
    どうか・・・・・・どうか・・・・・・私の分・・・・・・生き続けて・・・・・・
    こんな事をして言うのもおかしいですが・・・・・・
    やつらを・・・・・・Cyborg soldierを潰してください!」

    「あなたも来なさい、イエド。
    Human Alive社の社員として私たちと行動するのよ!」

    「・・・・・・時間です。あと2分。
    ホールの鍵は開けました。
    今すぐ逃げれば間に合います」

    「お嬢様!逃げましょう!」

    「ダメよ!彼だって犠牲者なのよ!?
    こんな終わり方、酷すぎるわ!」
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    プサイ No.11269336 

    引用

    「ミスアリス、逃げてください。
    私の最後、私の最後のすばらしい爆発を外から見ていてください」

    「イエド!お前、映画館で言ったあの台詞って・・・・・・
    まさかあの時からこうするつもりだったのか!?」

    「そうです・・・・・・
    私がここへ呼んだのも、『わざと』怒ったのも全て計算済みです。
    全ては私の真実を知ってもらうため・・・・・・
    私がCyborg soldier社から逃れたいと思っていたことを知って欲しかったため・・・・・・
    それを知っていただき、私は死ぬため・・・・・・」

    「ふざけるなああああ!」

    俺は殴りかかろうとした。
    だが、イエドは既に大粒の涙を流していた。

    「お願いです!
    いままで酷い事をしたと思っています!
    私の死で許してください・・・・・・」

    「アリス、さっさと出るぞ。
    こんなふざけた奴、放っておけ。
    志月、アリスを出すのを手伝ってくれ」

    志月は黙ってアリスを連れて出した。
    だが、アリスはずっと泣きながら叫んでいた。
    ホールには俺とイエドだけ。

    「まだ用があるのですか・・・・・・お連れの方・・・・・・」

    「カズでいい。気分が悪い」

    「ミスターカズ」

    「呼び捨てでいい」

    「カズ・・・・・・何の用ですか・・・・・・」

    「一つ言っておく、死ねば罪が許されるわけじゃない。
    むしろ、死んだところで何も変わらないだろう?
    生きているからこそ誰かに伝える事ができる。
    お前は俺らに伝えるために今まで生きていたのだろう?
    本当に辛いのなら、自殺という手もあったはずだ」

    「・・・・・・」

    「その気持ち、ちゃんと受け取った。
    いままでご苦労だった。
    墓は作ってやれないが、いいか?」

    「・・・・・・死ぬ前に・・・・・・あなたのような・・・・・・
    すばらしい方に会えて・・・・・・本当によかったです。
    ありがとう・・・・・・カズ・・・・・・」

    イエドは満面の笑みをなきながらも見せてくれた。
    俺は黙って敬礼をして、ホールを後にした。

    階段をおりて、ビルから出た。
    警官隊が既にずらずらと盾を構えて並んでいる。

    俺がビルから離れきったその瞬間、ビルが大爆発を起こす。

    「カズ!?一体何してたのよ!」

    「ゴメン・・・・・・あいつに少し話があってな」

    「だったら連れ出せばよかったのに!」

    「彼はここで死ぬ事を願っていた。
    今までだってずっと自殺したかったはずだ。
    でも、俺らに伝えたくて生きていた。
    それに、連れ出した所で行くところは刑務所だろ?」

    「でもレイは・・・・・・あれ?レイ?」

    「レイお嬢様でしたらダンボールに詰め込んでこちらに。
    警官隊に見つかったらいろいろとややこしいので」

    志月がダンボールを持っている。
    持ち手の部分からレイの目が見える・・・・・・
    ちなみに、ダンボールには汚い字でしおんと書かれている。

    「イエドだって・・・・・・イエドだって!」

    「もういいだろ。終わったんだよ。
    彼の『伝える仕事』は。
    次は俺らが伝える番だ」

    俺らは崩壊したビルを後にしてHuman Alive社へ戻った。

    爆弾<ボマー>のイエド。
    彼は結局、自分の血筋が原因で酷い差別を受けていた事を知って欲しかった。
    その暗い過去と一酸化炭素の恐怖を使われた犠牲者の一人だったのだ。
    だがこの終わり方が彼にとっても、俺らにとっても
    一番良い終わり方だったのではないだろうか。
    彼があんな笑った顔を見せてくれたのだ。
    それが何よりの理由だろう。
    アリスも腕と足を飛ばした事もすっかり許しているようだし・・・・・・
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    プサイ No.11271786 

    引用

    「君たちの行動は非常にすばらしい。是非称えたい」

    いつの間にやら椅子が用意されていた。
    だが、そんな事はどうでもよかった。

    「上官、言いにくいのですが報酬なんて受け取りたくありません」

    「いやいや、銃弾でも何でも・・・・・・」

    「必要ありません。受け取る理由がありません」

    今回ばかりはアリスに同意だった。
    こんな事で報酬だなんて馬鹿げてる。

    「報酬はいりませんが、俺から一つ頼みがあります」

    「何だね?言ってみなさい」

    「世界の人種差別についてですが、もっと厳しく取り締まって欲しいんです。
    他の国が無理でも、日本で保護するなり、国内だけでも
    何かできる事があるはずです。
    報酬を拒否したのですからしっかりとした対応を要求します」

    「あ・・・・・・ああ、そういう事か・・・・・・
    まぁいいだろう。任せなさい」

    「ありがとうございます」

    こうして上級指揮官は帰った。

    「イエドが少しでも楽になれたらいいな」

    「前嶋様、早速ですが結構重要な事があります」

    「なんだ?」

    「最近どうも誘拐が続発しているようです」

    「誘拐!?」

    俺の代わりにアリスが反応した。

    「はい。子供を標的に最近多いようです」

    「それってもしかして・・・・・・」

    「Cyborg soldier社が動き始めたのかもしれませんね」

    「明日から身体測定を始めましょう。理由は明日話すわ」

    こんな鶴の一声で明日の活動内容は身体測定に決まった。
    一体何を考えているのやら・・・・・・

    ちなみに志月の目は帰りの途中でしっかりと話した。
    現在はいつの間にか志月が開発していた義眼で補っている。
    アリスはうれしそうにしていたが、悲しそうにもしていた。
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    プサイ No.11274802 

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    「志月、カズ、もう寝るから。おやすみ〜」

    「お休みなさいませ」

    「おやすみ」

    俺と志月はほぼ同時に言った。

    「さて、私は身体測定の準備がありますけど・・・・・・」

    「俺も手伝おう。手伝いながら話を聞こうじゃないか」


    二回の準備室のような所に用具は置いてあった。
    ・・・・・・なぜこんな物がこんな会社に置いてあるんだ?

    「さて、結論から言ってしまいましょうか。
    ご察しの通り、私は感情があれば記憶もあります。
    アリスお嬢様に会う以前の記憶もしっかりあります」

    「じゃあアリスに初めて会う前の・・・・・・子供の頃の記憶があると?」

    「そうです」

    「じゃ・・・・・・じゃあ記憶があって、白沢さんとも・・・・・・」

    「そうです。
    ですが、私は本当にお嬢様に助けられたと思っています」

    「どういう事だ?」

    「少し話が長くなるのでそれは後回しにしましょう」

    「ドラインに記憶と感情を盗られたってのは・・・・・・?」

    「ドラインは本当に吸収しているわけではありません。
    高周波を出して催眠をかけているだけです」

    「なるほど・・・・・・それを防御したと?」

    「はい。こちらを使って」

    胸の方へ一度手を入れて、何か首飾りのような物を取り出した。

    「これは高周波吸収剤です。
    文字通り、対ドライン用で開発しました」

    「ちょっと待て、それじゃあまるで志月は
    ドラインに襲われる事を知っていたみたいじゃないか」

    「みたいじゃありません。知っていました」

    「・・・・・・!?」

    「辺様ですよ。彼女から教えてもらったんです。
    私が家で勉強をしていると、いつの間にか3階なのにベランダに彼女が居たのです。
    そして私に『高周波に気をつけろ』と言って、そのまま去ってしまったのです」

    「シオンらしいと言えばシオンらしいな・・・・・・」

    「あんな唐突に現れた謎の猫耳巫女の発言ですから
    絶対に何かあると思い、作ったのです」

    「はぁ、じゃあいつもの突然の謎の質問もわざとか?
    朝起きたら女だとか冷やし中華始めましたの反語だとか」

    「いいえ、あれは本気で思ったことですが?
    それ以外で結構ばれそうになった時がありましたよね・・・・・・」

    「白沢さんが来て、真実を話した時か?」

    「やはり感づいていたのですか・・・・・・
    あの時、お嬢様の発言でうっかり怒り気味になってしまって
    皆さんが驚かれたのでてっきりばれたのかと・・・・・・」

    それで志月まで驚いたのか・・・・・・

    「さて・・・・・・そろそろ助けられた事について話しましょうか・・・・・・」

    「おう、なんだ?」

    「結論から言いますと、私は男です」

    「・・・・・・は?」
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    プサイ No.11276974 

    引用

    「ですから、私は男です」

    「いやいや、それは聞こえた。どういう事かと聞いてるんだ」

    「お母様ですよ・・・・・・あの人が・・・・・・
    あ、前嶋様は検索してはいけない言葉で『女の子にしたい』という話をご存知ですか?」

    「ああ、知ってる」

    知らない人のために解説。
    簡単に言えば夫が浮気で離婚、そういう人(というか男)にしたくないがために
    息子の睾丸を事故を装って潰し、女にするという話。
    画像こそないものの、人によっては気分が悪くなる。
    詳しく知りたい方は検索しちゃってください・・・・・・

    「まさにあの話そのものですよ」

    「あれ?じゃああの話のお母さんって白沢さん?」

    「あ、いや、そういう訳じゃないのですが・・・・・・
    お父様は遊びに金を使い、借金して、借金取りまで来たのですよ。
    最終的には浮気で家出。もう最悪です。
    お母様は『男はみんなそういう奴だ。お前は女になるべきだ』
    と言って、私の(自主規制)を(自主規制)で(自主規制)したのです」

    「うぐぇ・・・・・・マジかよ・・・・・・」

    「当然、私は意識朦朧としていて、病院へ運ばれました。
    医者をどうやりすごしたのか分かりませんが結局性器までとられる始末です。
    家に帰ってもお母様は何処から手に入れたのか女性ホルモンを私に・・・・・・」

    「はぁ・・・・・・確かにそれじゃあ助けてもらったで間違ってないな・・・・・・」

    「体も完全に女性の体になるように手術を何度も繰り返しました。
    あ、そのころにはお母様も警察として大きくなり
    借金も無事に返して、家計に十分余裕ができていました」

    「なるほど・・・・・・まぁ何にしても今は女って訳だな?」

    「そうですね。成長期が来る前の出来事でしたので。
    むしろ今では女性として生きていたからこそ
    お嬢様に仕えられる訳ですし、非常に満足しています」

    「問題はいつアリスに真実を言うんだ?
    感情があるなら無理に真顔を続ける必要性も無いと思うし・・・・・・」

    そう。
    志月はどんなにうれしいときでも悲しいときでも無表情。

    「それにこのままだと1億がドラインの所へいっちまうぞ。
    相手の会社に莫大な資産を送るだなんてばかげてるだろう?」

    「分かりました。明日お嬢様に全てを伝えます」

    身体測定の準備が終わり、窓を開けて夜空を二人で見上げた。

    「せっかく志月が話してくれたんだ。俺からも何か言おうかな・・・・・・?」

    「一つ気になっていた事があります。
    あなたの軍時代の階級は?」

    「ああ、俺は1士だ」
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    プサイ No.11279391 

    引用

    「1士!?確か1年しか居なかったと仰いましたよね?」

    1士は低い階級ではあるが、1年という短い期間で上がれる階級ではない。

    「ああ・・・・・・
    俺もよく分からないんだが優秀な新米兵士って事で飛び級させてもらったんだ」

    「それなのに辞めるせられたと?」

    「だから謎なんだよ。
    自分で言うのもあれだが優秀だったはずなのに
    どうして俺が落とされるハメになったのかよく分からないんだ」

    「おかしいですね・・・・・・
    これは調査を続けた方が良いようですね・・・・・・
    あ、ご両親ですが・・・・・・」

    「ああ、別にいいよ。隠す事でもないし。
    俺の両親は航空テロで死んだ。
    誰がやったのかなんてよく分からない。
    小さい頃だったからな」

    「犯人は捕まったのですか?」

    「・・・・・・よく分からない」

    「・・・・・・?まさか・・・・・・」

    「多分あの収容施設だ。あそこに捕まっていたはずなんだ・・・・・・」

    「・・・・・・そうですか・・・・・・いろいろと話を聞けてよかったです。
    ありがとうございました」

    「こちらこそありがとう」

    「私はもう少し残りますので」

    俺が会社を出るとき、軍トラの時よりもいい笑顔を見せてくれた。
    なんだ、笑っている顔かわいいじゃないか。


    ・・・・・・何を言ってるんだ俺は・・・・・・!
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    プサイ No.11280785 

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    次の日、志月に朝の6時に起こされた。
    結局Human Alive社のみんなに起こされたぞ、俺。

    「お嬢様に伝えます。前嶋様も念のため来てください」

    俺は黙って2階へ行った。
    既にアリスが机で作業をしている。

    「お嬢様・・・・・・」

    「志月?どうかしたの?」

    「その・・・・・・かくかくしかじかでして・・・・・・」

    「・・・・・・まさか、記憶があったのに白沢さんとあんな演技を!?」

    「まぁ・・・・・・はい、そうです」

    「ええ!?どうして!?そこまで・・・・・・私のために・・・・・・?」

    「ですから、私はお嬢様に助けられたのですよ」

    「助けられたって・・・・・・?」

    結局話の埒が明かないため、志月が実は男だった事を話した。

    「・・・・・・!?」

    「あの・・・・・・そういう事ですから・・・・・・」

    「よくわかったわ。安心した」

    「安心したってどういう事だ?」

    「白沢さんが初めてきたときから私、すごく悩んでて・・・・・・
    どうして黙っていたんだろう、志月に悪い事をしたって・・・・・・」

    「お嬢様・・・・・・」

    「でも、あの時の行動が本当に志月のためになったなら良かったよ。
    これからもよろしく頼むわ」

    「言いましたよね?
    『私はどこまでも、いつまでも、お嬢様のメイドです』と」

    「そうね。ありがとう。
    志月、もう無理に無表情をすることはないわ。
    シオンとレイには私から説明しておくから」

    そして朝食

    「あ〜残念」

    「レイ?どうした?」

    「感情が無い内に無抵抗の志月をベッドに押し倒して(自主規制)しておけばよかったわ」

    「このド変態が!」

    アリスが全力でレイを殴った。

    「ところで、シオン」

    「なんぞ?」

    「志月の家に押しかけた事あるか?
    押しかけたと言ってもベランダかららしいが」
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    プサイ No.11283494 

    引用

    「おお、あるぞ。あの時は・・・・・・なんて言ったっけ?」

    「高周波に気をつけろ」

    「な!?どうしてカズが知っているのだ!?」

    反応遅いだろ
    ベランダに行った事を聞いた時点で疑問を持てや

    「志月から聞いた。とにかくだな、それは4年ぐらい前の話だろう?
    どうして志月の居場所が分かったんだ?
    というかその頃から情報屋としてやっていたのか?」

    「モチロンだ!情報屋は我の収入源だからな!
    居場所は神のお告げで聞いたのだ!」

    「ごめん、聞いた俺が馬鹿だった」

    「な!?」


    朝食の1時間後、身体測定は始まった。

    「まぁ、今回こうして測定する理由はただ一つ。
    万が一Cyborg soldier社に捕まっても人間卒業試験を受けさせられるかどうかを
    確かめるために測定する。
    つまり、成長が見られないなら安心でしょ?」

    「なるほどな」

    まずは身長。結果はこうだ。
    俺 175.6cm
    アリス 156.1cm
    志月 168.5cm
    シオン 154.6cm
    レイ 158.2cm

    「さて、記憶上成長している人はいる?」

    「ゲッ!俺、3ヶ月前の身体測定より1.2cm伸びてる・・・・・・」

    「こんな大きいくせにまだ伸びるの?」

    ちなみにアリスとレイは既に発症しているため、成長はありえないし
    また人間卒業試験を受けさせられる心配も無い。

    シオンは全く伸びていないらしく、志月はせいぜい0.2cmぐらいだと言う。

    次に体重。
    俺 64.3kg
    アリス 47.8kg
    志月 52.6kg
    シオン 45.7kg
    レイ 51.3kg

    「どうやら皆様痩せ型のようですね。
    基準より下回っています」

    なお、身長が8cmも違うのに体重が1kgしか違わない志月とシオンだが、これは
    志月がやせすぎているようだ。

    「カズ、過去にトラウマとかある?」

    「・・・・・・まぁあるな。思い出したくは無いが」

    「追求はしないわ。
    でもあるならあなたが狙われる可能性が出てきたわ。
    これから先、気をつけてね」

    「気をつけます・・・・・・」
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    プサイ No.11285188 

    引用

    身体測定の次の日。

    「さて、また一つ新たな軍からの依頼ですよ」

    「どれどれ・・・・・・大量殺人鬼の捕獲、殺害」

    「この前の収容施設とは関係が無いらしいのですが
    この一週間で既に15人は殺されています」

    「15人!?」

    俺とアリスとレイが同時に声を上げた。
    シオンはダンボール内でこちらを見ている。
    恐らく神という名の情報網で知っているからだろう。

    「はい。死因も様々ですが殺害場所が近い事から犯人は同一人物だと考えております。
    ちなみに、死因は15人全て違い
    絞殺、毒殺、射殺、刺殺、焼殺、撲殺、爆死、溺死、餓死、凍死、転落死・・・・・・
    ともかく、常に違った方法で殺しているという事です。
    それから、直接の死因はそれぞれ違いますがどれも暴行をした跡があります」

    「不思議な事件があるものね・・・・・・
    犯人の目星ぐらいついてるんでしょ?」

    「ここからは我が話そう。
    全く無し。目撃が無ければ証言も無い。
    防犯カメラに一応写ったのだが・・・・・・」

    「だがなんだ?」

    「写っていたのはHuman Ruinの兵士だったのだ」

    「おかしいな、Human Ruinは悪魔で俺らだけを狙うはず・・・・・・」

    「俺らをおびき寄せるためについに一般民にまで手を出したのか?」

    「狙いがどうであれ、このままだと殺人が続くわ。
    だって一日に2人は殺されてるんでしょ?
    このままだと本当に大変な事になるわ」

    「仕方が無いな。依頼ならやるしかないな」

    「Human Ruinは集団で襲い掛かるからこそ厄介だし・・・・・・
    多分一人ならなんとかなるんじゃないかしら?
    それに、私の推測だと暴行をして、弱らせてからそれぞれの殺害方法に移るはずよ。
    少なくとも初っ端から銃撃してくるとは思えない。
    15回もやって、誰にも見つかってないって事は、銃を何回も使っていないはず」

    「一つ条件があるぞ。
    犯人は夜中に行動しているから夜に行動すべきと我は思うのだが」

    「じゃあ早速今夜から捜索を始めましょうか。
    グループは・・・・・・
    シオン、私と行こう。志月、カズと。レイは単独行動だ」

    「なんでよ!?」

    「お前は万が一の時は冷凍で防げるだろう?
    暴行なんてしようとすれば低音やけどするだろうし。
    だが、私たち4人は違うからな」

    「えぇ!?せっかく依頼が終わったら夜の依頼も頼もうと思ってたのに!」

    「死ねよ、変態。
    では、このグループで今夜から活動をする」
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    プサイ No.11286480 

    引用

    という訳で夜。
    志月と共に捜索が始まった。

    「なんというか、最近志月とペアになる事多いな」

    「お嬢様は私たちの戦闘スタイルが分かってますから。
    私は長距離、前嶋様は中距離、お嬢様は近距離、辺様はナイフですから
    それぞれ丁度いいペアにしているのでしょう」

    「なるほどな」

    あたりは暗く、人通りの少ない道を歩いていた。
    突如悲鳴が聞こえてきた。女性だ。

    「あっちだ!」

    急いで悲鳴が聞こえた方向に向かうと一人の女性が倒れこみ、前にHuman Ruinが居た。

    「おい!お前やめろ!」

    兵士は見向きもせず、女性にスタンガンを浴びせようとしていた。

    「あの野朗!」

    俺は殴りかかった。
    どうやらこちらに気がついていなかったのかクリーンヒットした。

    「ヴァァァァァ!!!」

    今度は謎の奇声を上げながらこちらに殴りかかってきた!
    俺は腕をつかみ、そのまま大腰で投げた。
    女性が逃げるのがなんとなく見えた。

    「前嶋様、これを使ってください」

    後ろで見ているだけの志月だったが精神安定剤を渡してきた。
    俺は倒れたままの兵士に打ち込んだ。

    しばらくおとなしくなったかと思えば、再び立ち上がった。
    そして俺が銃を構えて

    「動くな!」

    と言うと、再び殴りかかってきた。
    しかも先ほどよりもすばやく。

    「ゴフッ!」

    見事に食らってしまった。
    俺も殴り返した。
    また殴ってくる。
    また殴り返す・・・・・・

    なんというか・・・・・・
    お互いに殴り合って、避ける気が全く無い。
    それに急所ははずしている。

    「あの・・・・・・前嶋様・・・・・・」

    お互いにくたばった所で志月が入ってきた。

    「ああ・・・・・・スマン・・・・・・すっかり普通に殴り合ってた」

    「あなたは・・・・・・何者ですか・・・・・・?」

    突然兵士が話し始めたため、少し驚いた。
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    プサイ No.11288248 

    引用

    「何者って・・・・・・
    俺は前嶋一樹だ。まぁみんなからはカズと呼ばれている。
    というか、お前が先に名乗れよな——で、名前は?」

    「・・・・・・分かりません」

    「!?生まれた場所は?」

    「・・・・・・分かりません」

    「お前、何なら分かるんだ?」

    「よく考えれば、私はどうしてあなたと殴り合っていたのでしょうか?
    私はどうしてこのような格好をしているのでしょうか?
    私は何者なのでしょうか?」

    俺と志月は顔を見合わせた。

    「もしかしたら、Human Ruinの兵士にはこのようなプログラムがあるのかもしれません」

    「このようなプログラム?」

    「記憶が飛ぶように仕組んであるのかもって事ですよ。
    外部にHuman Ruinの情報が漏れないように・・・・・・」

    「まいったな・・・・・・どうするよ?」

    「事件の参考人なわけですし
    彼が本当に記憶が無いのか確かめる必要がありますね。
    とりあえずお嬢様たちに報告して、会社に戻りましょう。
    万が一の時は殺せばいいのですから」

    いつからそんな恐ろしい事を言うようになったんだよ。志月は。


    そして会社にて。

    俺は立ちながら、
    アリスはアリスの椅子に座りながら
    志月はパソコンを操作しながら
    シオンはダンボールから顔を出して
    レイは腕を組みながら
    Human Ruinの兵士を見つめていた。

    「こいつが犯人ね・・・・・・」

    「無駄だ。どれだけ聞こうと思っても自分に関する情報が全く無い。
    もしかしたら記憶喪失のふりをしているだけかもしれないがな」

    「それはないですね」

    志月がパソコンを操作しながら話す。

    「今までの行動と彼のデータからHuman Ruinは我々をとにかく殺すように
    プログラミングされているわけです。
    こうして黙っていることなんてできません。
    あ、人工血液はありますが情報伝達機能は既になくなっているようです。
    ・・・・・・なぜでしょうかね?」

    「じゃあ彼はもう危険じゃないと?」

    「まぁそうですね」

    「じゃあ彼もHuman Aliveの社員として使いましょうよ」

    「ええええ!?」

    俺とレイと志月が驚く。
    ・・・・・・シオン、驚いていないようだがこうなるって分かってたのか?

    「いいじゃない。安全なら戦力は多い方がいいわ。
    それにカズ、ハーレムから脱出できるわよ」

    「・・・・・・確かにそれもそうだな」

    「じゃあけってーい!」

    こうして、6人目の社員、・・・・・・名称不明の人物が入社しました。
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    プサイ No.11291250 

    引用

    「名前だが、無いようではこの先辛いと思うぞ。
    何か考えたらどうだ?」

    「名無しの権兵衛」

    「ざけんな」

    レイの発言にアリスが全力パンチを食らわす。

    「とりあえず、顔を見ないとどうとも言えないのだが・・・・・・」

    その兵士はガスマスクを取った。
    金髪で青い目という明らかな外人だった。

    「へぇ!?日本人じゃなかったのか!?」

    「私から一つ提案があります」

    志月がパソコン作業を止めて話し始めた。

    「名無しの権兵衛は流石にまずいとは思いますが、その外国版ならどうでしょうか?」

    「外国版名無しの権兵衛?」

    「はい。ジョン・ドゥと言うのですが・・・・・・」

    「ああ!それは俺も聞いた事があるぞ!蛇が潜入しまくるゲームで出てきた!」

    「由来はただ単に使われる事の多い名前を繋ぎ合わせただけですがね。
    女性の場合はジェーン・ドゥになるそうです。
    少なくとも権兵衛よりはマシだとは思いますがいかがでしょうか?」

    「いいんじゃない?ジョン・ドゥ」

    「まぁ本人次第じゃないかな」

    「ジョン・ドゥですか。いいと思いますよ」

    本人の承諾でこの兵士の名はジョン・ドゥに決まった。

    「Human Alive迷彩ですが、予備がもうありませんのでその服を使い続けてください」

    「はい。いいですよ」

    ジョンはにっこりと笑う。

    「さて・・・・・・これで更に仕事がはかどるわね。
    明日から仕事のグレード上げようかしら・・・・・・」
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    プサイ No.11292269 

    引用

    「さて・・・・・・なんとお呼びすればいいのやら・・・・・・」

    志月はどうやらジョン・ドゥの呼び方に困っているらしい。
    確かに、ドゥ様やミスタードゥってのも変な気がする。

    「いいですよ、気にせずジョンとお呼びください」

    「ではジョン、あなたの防具ですがいくつか気になる物があるので
    調べさせていただいてもよろしいですか?」

    「ええ、どうぞ」

    志月はぺたぺたとHuman Ruinの防具を触っている。

    「まず、ベルトケースからは投げナイフ。商品名は伏せておきましょう。
    次に通常のサバイバルナイフ。こちらも商品名は伏せましょう。
    それからホルスターにはべレッタですか。
    サイドバックに予備のマガジン、スタンガン。
    メインウェポンは何処かで落としたようですね」

    「何かと装備はしっかりしてるんだな」

    「後ろ側にはトランシーバー、手榴弾、、ライト、工具系統ですか」

    「もっとも、私にはなぜこんな物が着いていて、なぜこんな服をしているのか
    サッパリなのですがね・・・・・・」

    装備を戻しながらジョンは言う。

    「言語能力、武器名称が分かる事から本当に個人情報だけが
    キレイに無くなっているようですね」

    「そうですね、武器の使い方等はなんとなく分かります」

    「警察が来たらどうしましょうかね。
    現時点ではジョンが犯人だという決定的な証拠はありませんが
    この服装で一発で分かりますからね・・・・・・」

    「我から提案がある。というかお告げがある」

    「・・・・・・一応聞こうか」

    アリスがジト目でシオンを見ながら聞いた。

    「ダンボールであるぞ。ダンボール。
    レイもこれで警備を逃れたわけだし、意外と便利だぞ。
    上手に使えば寝床にもなるし、非常に——」

    「蛇的発言はそこまでにしろ、クソシオン。
    私が聞いているのは神のお告げの内容だ。
    まぁ言っている事に一理あるな。
    ダンボールならいくらでもあるし、すぐ準備しよう」

    アリスが言ったのに、志月がいつの間にか取りに行っていた。

    「どうぞ。サイズはこれが限界です」

    大きめのダンボールをジョンに渡した。

    「ありがとうございます。万が一の時は使わせていただきます」

    ジョンは苦笑いだった。
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    プサイ No.11297429 

    引用

    現在は夏。今年は例年と比べると気温が高めだ。
    地球温暖化が激しくなっているのだろうか。
    ・・・・・・いや、松岡修造が元気なだけだと考えておこう。

    「やっぱりさ、夏らしい依頼とか受けるのもいいじゃない?」

    突然アリスが言い出したため、社内に居た全員がアリスを見る。

    「夏らしい依頼・・・・・・とは?」

    「コレ、見てみなさいよ」

    アリスは俺らに依頼書を見せてきた。
    そこには、「廃墟の病院捜索」と書かれていた。

    「肝試しかぁ・・・・・・いいんじゃないかな?」

    「私はお嬢様の望むままにいたします」

    「私もそうするわ。この身体を更に冷やしたいわ」

    「私も賛成です。夏の定番はやっておくべきですね」

    「我は反対だ!絶対に行かないぞ!」

    「シオン、怖いのか?」

    アリスが見下すようにシオンに問いかける。

    「死者の巣窟など行った所で呪われるだけだ!
    特に巫女である我は人一倍狙われるのだぞ!?」

    「言い訳しても無駄。多数決で行く事にする。
    あと病院を勝手に死者の巣窟扱いするなよ」

    「んな馬鹿な!?神のお告げだぞ!?行ってはならぬ!」

    「では、依頼内容を説明するわ」

    「聞けえええぇぇ!」

    シオンを総スルー。

    「ビデオカメラで内部を撮る。
    心霊スポットとしては隠れた名所でかなり危険らしいわ。
    入ったら生きて出られないという噂もあるし、白装束の女に追いかけられたという話もある」

    「い・・・・・・言ってるではないか!本当に出ると!」

    「しかし、この文には矛盾があるわ。
    入ったら出られないというのに女を見たという証言があるのはおかしいわよね?」

    ・・・・・・確かにそうだが・・・・・・。

    「と、いうわけで早速今日の夜行きましょー!」

    こうしてHuman Alive社、(依頼ではあるが)肝試し大会が決まってしまった。
    第一、この話が投稿されるのは絶対的に9月だろ・・・・・・
    もう遅いよ・・・・・・
    (作者がこの話を書いたのは8月23日です。どんだけ溜め込んでるんだよ)
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    プサイ No.11301292 

    引用

    俺はいつもの迷彩だ。
    第一、それ以外の服がセンスの無い私服しかないし・・・・・・

    「カズ、GSRなんて持ってどうするのよ?」

    「物理攻撃が効く敵が出てくるかもしれないだろ?
    というか・・・・・・そういうアリスこそッ!」

    なんとアリスはスカートだった。
    初めてスカート姿を見るが・・・・・・なかなか似合っている。

    「せっかく義手義足じゃなくなったんだし、もっとエンジョイしなくちゃ。
    それに暑苦しいからね・・・・・・」

    「私は今日は戦闘が無いと見込んで、メイド服です。
    一応いつものセットは持ち歩きますがね」

    志月の言ういつものセット・・・・・・
    薬品とか工具とかそういうやつか・・・・・・?

    「私はこれ以上の装備はないでしょう」

    ジョンは来たときと同じ。
    ガスマスクははずしているが装備はそのまま。

    そしてレイは巫女服だった。

    「我はこれだな。幽霊相手に巫女でなければどうしようもない」

    そうとは限らないが・・・・・・
    とりあえずシオンは巫女服だ。
    手に持っているのは・・・・・・

    「幽霊撃退といえばファブリィィィィズ!!!」

    「アホ!」

    俺とアリスが一斉にパンチを繰り出した。

    「何をするか!?ファブリィズは本当に撃退できるのだぞ!?
    2chのオカ板の住民たちも言っていたのだ!」

    詳しくは
    ファブリーズ 幽霊撃退
    で検索

    「我も行く事は100歩譲って同意する。
    ただし、流石に御祓いも無しで行くのはふざけすぎだぞ。
    我が特別にしてやるから5人ともそこに正座するのだ」

    シオンに命令させるのはなんとなく腹が立つが確かにその通りだったため
    みんな黙ってシオンの前に正座した。
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    プサイ No.11304293 

    引用

    シオンのことだからどうせふざけるとは思ったが
    そんな事は無く、しっかりとした御祓いをしてくれた。
    ところで、御祓いをしている本人(シオン)は大丈夫なのだろうか?
    御祓いを見るからに本人には効果がなさそうだが・・・・・・

    「フン、いつもそのぐらい真面目ならいいのに・・・・・・」

    「我は常に真面目だぞ!?
    お告げだって何べん伝えた事か!?」

    「肝心なビデオ係ですが、しっかりとした映像を取れるように6人全員が持つ事にしました」

    そう言って志月はビデオカメラを渡した。
    一体何処で調達したんだ?


    そして夜。
    場所は都内の県立総合病院。
    8年ほど前に予算が足りず、経営が難しくなり国が止めたらしい。
    崩すのにも莫大な金がかかるためほぼ自然崩壊を待っているような状態である。

    噂によれば手術の失敗率が異常に高く、死亡した人も大勢らしい。
    不気味な事に、その病院の真横には墓場もある。

    ホラースポットとして有名になったのは3年ほど前から。
    ここをふざけ半分で訪れた人の大半がその後、不幸が起こっているらしい。
    内容は・・・・・・考えたくも無い。

    「感じるぞ・・・・・・邪悪な幽霊が騒いでいる・・・・・・
    みんな、やめないか?」

    「だが断る。これは肝試しなのよ?」

    アリス、思いっきり夏らしい「依頼」とか言って喜んでたじゃないか。

    「じゃあそろそろ中に入ろうか」

    気がつくともう玄関前に居た。
    鍵は開いている。

    志月がドアを開け、みんなを中に通した。

    病院独特のにおいがする。
    8年経ってもこのにおいは取れないものなのだろうか。
    ・・・・・・ん?なぜかいいにおいがしてきた——

    「っておい!シオン!」

    「うぇ?」

    シオンはファブリィズを撒いていた。

    「もうこの時点で霊がすごくいるのだ。除霊除霊。悪霊退散!」

    あきれたやつだ・・・・・・


    「さて、ここの悪霊は非常にやっかいだ」

    「一ついわせてもらう。お前の方がやっかいだ」

    アリスが一蹴。

    「・・・・・・とにかく、ここでも更に御祓いをする必要性があるぞ」

    「ん?会社でしたんじゃなかったのか?」

    「あれは悪魔で肝試し後の悪戯防止である。
    これからするのは取り憑き防止。まさかこれほど危険な幽霊がるとは思わなかったからな」

    巫女姿でそんな事を言われたらなんだか本当な気がして仕方が無い。

    「ま・・・・・・まぁ、そこまで言うならしておこう」

    アリス、もしかして怖いのか?

    「よし、全員ここに正座して目をしっかり閉じろ」

    言われたとおりにすると・・・・・・

    「なっ!?」byジョン
    「・・・・・・ぬぅわ!?」byレイ
    「キャッ!」byアリス
    「・・・・・・!」by志月
    「うわっ!?」by俺

    「何するんだ!?このクソシオン!」

    どうやらシオンは一人づつファブリィズをかけたようだ。
    (人に向けて使ってはいけません!)

    「おっと、悪気はなかった。だがこれで取り憑かれずに済むぞ」

    当然ながらシオンはこの5秒後に5人から殴られるハメになりましたとさ。
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    プサイ No.11308408 

    引用

    「く・・・・・・みんなして我の事を殴りおって・・・・・・」

    「シオン、せめて申告してからやるべきだったぞ」

    「ああ・・・・・・そうか、すまなかったな」

    めずらしくシオンが反省している・・・・・・

    「ところで、夏にファブリィズがよく売れるのはなぜか知っているか?」

    「当然、汗がよく出——」

    「幽霊退治のためだぞ。知っていたか?」

    「反省の色が無い!」

    お決まりのアリスと俺のダブルパンチ。

    「と・・・・・・とにかく、これで幽霊の直接的な害は無い。
    だが、物を投げてきたりとかするかもしれない。
    その時は銃撃で落とすのだ」

    シオンの幽霊談はここまで・・・・・・


    「ところで、この病院は思ったよりも広いわ。
    せっかく一人一個カメラがあるわけだし、2人3組で行きましょうよ」

    アリスの鶴の一声でグループ訳することが決まった。

    アリスとレイ、シオンとジョン、志月と俺だ。
    このペア多いな。

    「アリス・・・・・・せっかく病院に来たんだし・・・・・・」

    「死ね。あと病院じゃなくてS○Xはホテルだろ」

    拒絶する割にはよくご存知でいらっしゃる。

    「にしても志月、お前とはよくペアになるなぁ」

    「やはり遠距離と中距離は組み合わせがいいですから」

    「じゃあ、私たちはA棟、シオンとジョンはB棟、カズと志月はC棟お願いね〜」

    そう言うとさっさとアリスは行ってしまった。
    ちなみに、A棟=会議室、書類倉庫等の一般の人が立ち入らないような所。
    B棟=病棟であり、患者がかつて居た場所。
    C棟=・・・・・・手術室、機材室等の最も危険と思われる場所。

    アリスよ、俺らをC棟に行かせるのはなぜだ?わざとか!?
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