ワザップ!フォーラム
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ガンダムの小説を書くよ。
著作権は富野由悠季さんに。
一年戦争、オデッサ作戦終了からの物語
分からない、知らない用語はググってください
正直あんまし更新する気なかったりするんで、完結は10年後くらいで
文章中で使われる
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↑は、場所が変わります
………………………………
↑時間経過を表します
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↑主観キャラが変わります
そんだけ
今日もラーメンが美味しくて幸せです。
きっと明日もラーメンは美味しいので、明日も私は幸せです。 -
「半年…、いや、もっとか…」
「8ヶ月だな」
全てを言わなくとも伝わる。
この男はそういうヤツだとデシーカは知っていた。
それがいいことであれ悪いことであれ…。
「独り言にまで返事はしなくてもいいんだぜ?」
「なら、もっと小さな声で言うんだな」
(チ…!)
内心苛立ちはしたが、バゼットも似たような気持ちだろうと分かっていたので口には出さなかった。
変わりに二人が共有しているであろう感情を言った。
「歯がゆいな…」
「あぁ…」
ジオンの地球侵攻作戦から参加していた二人にとって、宇宙(そら)に上がるのは8ヶ月ぶりのことだ。
オデッサ陥落で、戦いの場は再び宇宙へうつろうとしていた。
デシーカ・ゲイツ少尉、バゼット・スタッドマン大尉。
ジオンの仕官(とは言っても、現代のように後方指揮ではなく前線指揮の仕官だが)である。
連邦のオデッサ作戦に敗れて宇宙(そら)へと旅立つ準備を整えるザンジバル級の中だ。
デシーカは飛行機(フライマンタ)及び戦車(61式)19機、バゼットも23機撃墜と善戦したが、多勢に無勢、弾切れで一時帰還した際にオデッサ放棄の知らせを受けた。
若きの至りかデシーカは反発したが、"敵を殺すのが仕事であって、死ぬのは仕事ではない"、バゼットにそう諫められて、渋々了承した。
「ジオンは負けるな…」
バゼットの呟きが聞こえたが、独り言などめったに言わない男である。
彼も悔しいのだろう。
「そこから勝つからカッコイイんだろう?」
「ん…、そうかもしれん…、いや、そうだな…」
「へっ、ようやく笑いやがったか仏頂面め。そんなんなじゃ一生独り身だぜ?」
「いつ死ぬかも分からんのに妻など持てるか」
「そうは言っても、恋人くらいはいるんだろ?」
「この顔だぞ?」
「渋くていい顔だな」
「やれやれ…」
「少なくとも、性格はいいぜ。固いとこを除けばな」
「礼だけは言っておこうか」
デシーカのおかげで少し雰囲気が和らいだが、それを壊すのもデシーカである。
「アント、ガルシア…死んじまったな…」
言ってから後悔する、いつものことだ。
折角落ち着いたかと思ったらぶち壊す。
こういう発言をしたらバゼットがどんな反応をするかも分かっているはずなのに…。
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今日もラーメンが美味しくて幸せです。
きっと明日もラーメンは美味しいので、明日も私は幸せです。 -
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「アント、ガルシア…死んじまったな…」
途端に空気がこれまでのものよりも重くなる。
「仕方ないだろう、運が悪かったんだ」
しまった、とバゼットは思ったが既に遅い。
案の定デシーカは突っかかってくる。
「…運?同じ小隊の仲間が死んだのに"運が悪かったから仕方ない"で終わらせんのかよ…」
「戦場では運・不運が絡むものだからな」
本音ではない。
俺だって悲しいんだ。
「だからって仕方ないはないだろう!!あいつらだって十分戦ったんだ!!」
そら口論になった、ここで売り言葉に買い言葉しかできない不器用な男なのが俺だ。
「ならお前はあらぬ方向から飛んでくる流れ弾を全てかわしきることが出来るというのか?それが簡単にできることなら腕が悪いんだ。できないことなら運が悪いんだ」
理屈で攻めるが、こんなものは詭弁だ。
本当に言いたいことじゃない。
いくら戦いを一筋に生きてきたバゼットでも死んでいった者達を愚弄するほど愚かではない。
「テメェ!!」
デシーカが胸ぐらを掴んでくる。
が、さすがに付き合いが長いだけはあるのか、相方のことはよく分かっていた。
「…悪ぃ、お前はそういうヤツだよな…」
「いや…、俺は…」
「お前だってあいつらが死んで悲しんでるのは分かってる…、分かってんだけどな…、ごめん…」
今回の非は自分にあると分かってはいても謝ることすら出来ない自分を心底嫌いになる。
"固いところを除けばな"
(不器用なところ、の間違いだろう…)
「すまん…」
デシーカに聞こえないように呟いた。
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「お前だってあいつらが死んで悲しんでるのは分かってる…、分かってんだけどな…、ごめん…」
またやった。
バゼットが冷静で客観的な意見を言う、それに俺が突っかかる、バゼットが理屈をこねる、言い負けた俺がキレる…。
今回の場合はバゼットにも非はあったのだが、そもそもこの話題を振ったのは俺だ。
自分で良くした空気をまたもや自分でぶち壊すのだから世話はない。
「………」
「え…?」
デシーカは耳を疑った。
今、確かにバゼットが「すまん」と言ったように聞こえたからだ。
バゼットは窓から見える、恐らく最後になるだろう地球の景色に目を向けていたが、間違いはないだろう。
表には出さないが、内心上機嫌になったデシーカは、しばし戦いの疲れに身をゆだねて眠ることにした。
今日もラーメンが美味しくて幸せです。
きっと明日もラーメンは美味しいので、明日も私は幸せです。 -
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「おい、セイバーフィッシュの整備はまだか!!」
「あと10時間…いえ、8時間ください」
「そんなに待てるか!5時間で終わらせろ!!」
こちらは連邦軍ジャブロー本部。
オデッサ作戦で宇宙(そら)へ逃げたジオン兵を追撃するために宇宙へ上がる準備が整えられていた。
仕官から整備班へ、整備班から整備班への怒号が飛び交う。
(全く…、後方基地の連中は危機感が少ないからいちいち作業が遅いのだ…)
「随分と整備兵をコキ使うのですな」
嫌なヤツが来た、とラーゲル・レーヴ大佐は思った。
当然口には出さないが…。
「この程度最前線じゃあ日常茶飯事でしょう。一々緊張感に欠けるのですよ、ここの連中は」
「そう言ってくれるな、彼らだって、当然私らだって必死にやっているのだ」
(金と命さえあればどうとでも動くクセによく言う…)
「例え必死であっても、それが結果に出ねば死に直結するのが戦争なのですよ、我々は遊んでいるのではない」
「いやはや、これは手厳しいですな」
する事為す事、言うことに渡ってまで全てが癪に障る。
男はアブデル・ナセル中将、長年連邦の上層部にいるが、2年に一度は悪い噂が流れる様な男である。
無論、それらすべての噂が本当のことではないのだろうが、火のないところに煙は立たない、何かあるのだろう。
「それはそうと、キミに知らせたいことがあってね。連邦もモビルスーツの量産体制に入ろうとするところなのは知っているね?」
「RGM-79ですね。それが…?」
今日もラーメンが美味しくて幸せです。
きっと明日もラーメンは美味しいので、明日も私は幸せです。 -
「いや何、キミの艦にそのプロトタイプを2機ほど積んで貰おうと思ってね」
「新型をわざわざ…」
新型の機体が支給されるのは素直に嬉しい。
が、連邦はこれまで飛行機(フライマンタ)や戦車(61式)で戦ってきているのだ。
パイロットがいきなり適応できるとは考えづらい。
それが噂のガンダムのパイロットでもあれば話は別なのだが…。
「案ずるな、新型用にテストパイロットも2人ほど手配してある」
「しかし、何故私の艦(ペルシュロン)に?」
「本部としては実戦でのデータが早く欲しいのだよ。そこで、簡単に墜ちてもらっちゃ困るわけだ。ジオン追撃で宇宙に上がるペガサス級はキミのペルシュロンだけだからね」
(体の良いモルモットか…)
それでも、テストパイロットまで手配してもらえるのなら悪い話ではない。
2,3度戦闘データを取れば、あとは自由に使って良いのだ。
「了解しました、無事戦闘データを手に入れさせましょう」
「いや、頼りになるね、ハッハッハ」
生理的に好きになれる人間ではないが、今だけは素直に感謝することにした。
今あるのはこれだけ。
続きは3ヶ月後くらいで…
今日もラーメンが美味しくて幸せです。
きっと明日もラーメンは美味しいので、明日も私は幸せです。 -
文字数制限10,000だったのか。
1,000と見間違ってた恥ずかしい死にたい。
………………………
「ラーゲル・レーヴ大佐でありますか」
「そうだが…、君はテストパイロットの…?」
「は、ウォルター・ロドス少尉であります」
「同じく、キースラガー・ソロン中尉であります」
ウォルターと名乗った青年、歳は24〜25くらいだろうか、なかなか良い眼をしている。
キースラガーと名乗った男は20代後半〜30代前半だろうか、資料によるとテストパイロットとしては優秀らしいが、生真面目さに欠けるらしい。
「知っての通り、ラーゲル・レーヴだ、よろしく頼む」
「は、恐縮であります」
「着きましては、ジオン艦隊の予想進路、及び作戦の概要を預かって参りましたので、目を通しておいてください」
「ん…、こういうのはどこぞやの秘書官とかが渡しに来るものじゃないのか?」
「女性の方が良かったですか?」
キースラガーが冗談半分に聞いてくる。
上官に対しては相応しくない態度だが、固すぎるよりは幾分かやりやすい。
「娘に似ているなら文句なしだ」
冗談を交えつつ書類に軽く目を通すが、事前に聞いていたものと大差はないようだ。
「ん、了解した、君らには宇宙に上がると戦闘配備で待機して貰うことになる。今のうちにしっかり休んでおいてくれ」
「は、失礼します」
二人そろって綺麗な敬礼を並べ、去っていった。
(良いパイロットなのだろうな)
まだ実戦を見たわけではないが、ラーゲルもプロである。
パイロットを見た印象だけでも大体の腕前や性格くらいは把握できる。
ラーゲルの見立てでは、パイロットだけでも十分すぎるくらいの支給を得たと思った。
「おい整備班、あとどのくらいかかりそうだ」
「あ…、はい、3時間程度かと」
「ありがとう」
あれからまだ2時間は経っていない、結局5時間も要さなかったのだ。
(やればできるじゃないか…、自己評価が低すぎるのか?)
どちらにしても、これから忙しくなる。
書類に目を通し終えてから寝ても1時間程度は仮眠できるだろう…。
……………………………
「できるな」
キースラガーが呟く。
「何が」
「あの艦長さんだよ、ナセルなんかよりはよっぽど頼りになりそうだぜ?」
「当然だろう、ナセルと比べて劣る人間の方が少ない」
「そらそうだ」
カラカラと笑う。
この男はいつも楽しそうだ、休暇の時も、訓練の時も、それが例え実戦を間近に控えた今であっても…。
ウォルターは素直に羨ましいことと思うが、自分のガラじゃない。
「けどまぁ真面目な話、そこらのボンクラどもよりはよっぽど出来るんじゃないか?そうだな…、ブライト艦長より出来るかもしれないぜ?」
「だれだよ、そのブライトって…」
キースラガーは、「はぁ」と溜息をはいて、
「ニュータイプ部隊の艦長さんだよ、時事ネタくらいおさえとけ」
ニュータイプ部隊、なんでもあの赤い彗星のシャアを素人ばかりの戦艦一隻と一機のモビルスーツで退けたという、にわかには信じがたい話ではある。
「おい、それでも素人艦長なんじゃないか」
「けどニュータイプだぜ、ニュータイプ」
「そんなの方便だろう…」
可能性としては否定しきれないが、ウォルターは信じたくなかった。
自分がいくら腕を磨こうが、"ニュータイプ"である彼らには勝てないということなのである。
信じたくないのも無理はない。
「ま、信じたくない気持ちも分かるけどな、そんなのが戦場を闊歩する時代になったら、俺たちはお払い箱だ」
やれやれと言わんばかりにキースラガーは肩をすくめる。
「けど逆に考えてみろよ、俺やお前もニュータイプだって可能性も…」
「あるわけないだろう、身体検査もモビルスーツの操縦訓練の成績も、普通よりちょっとできる程度のものだ。それでニュータイプなら、軍人の100人に一人くらいニュータイプがいる計算じゃないか」
「やれやれ、夢くらい見させろよ」
現実思考なウォルターにとって、そんな夢は夢とは言わない、ただの妄想だ。
しかし、こういった思考こそが自分に一番欠けているものなのも理解していた。
そうこうしているうちに、部屋の前まで着いた。
「じゃぁな、しっかり休めよ」
「キースラガーこそ、遠足じゃないんだからさっさと寝ろよ」
「お、お前も冗談を言うようになったのか!ハハ、こいつぁめでたいな!」
ウォルターとしては冗談ではなく、本当にキースラガーが遠足気分な気がしたから注意しただけだったのだが、何を言っても無駄なようなので諦める。
「はぁ…、じゃあな…」
「おうっ、5時間後には会うだろうがな」
ドアを閉めて一息。
キースラガー、腕は立つが、性格が合わないのか、一緒にいると疲れる。
勿論キースラガーのことは嫌いではないし、一緒にいて楽しいとは思うのだが、戦闘の前くらいは静かにして欲しかった。
(それとも俺が緊張しすぎなのか…)
………………………………
「カウントダウン開始、5,4,3,…」
オペレーターの声の後、2機の新型プロトタイプを載せたペガサス級、ペルシュロンがゆっくりと浮上し、進み始める。
(いよいよか…)
ラーゲルは通信を艦内全域に設定し、
「諸君、いよいよ我々は宇宙へと出立し、ジオン軍の追撃及び掃討を行う。パイロット諸君には常に第2種戦闘配置についてもらうことになる。程良い緊張を持って望んでくれ」
窓のシャッターが閉められ、大気圏突破準備が進んでいく。
(いい緊張感だ…)
整備兵までは判らないが、少なくともブリッジにいる者はみな、緊張しすぎず緊張がないわけでもなく、それなりに慣れているように思えた。
(私は、随分といい部下に恵まれたようだな)
艦はいよいよ成層圏にまで届いていた。
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「30秒後に大気圏を突破します。艦内、大きく揺れることがございますので、シートベルトをお閉めになり、着席いたしますようお願い申し上げます」
機械の綺麗な声で注意を促される。
デシーカはこの声があまり好きではなかったが、口に出したからといってどうこうなるものでもない。
「連邦も追撃してくるだろうな」
「だろうな。この艦には宇宙で使えるモビルスーツは積まれてるのか?」
「いや、07-Bや09は数機あるが、宇宙で使えるのは俺たちの06-Fが2機だけだ」
「援軍は?」
「間に合わんだろうな…」
「なかなか絶望的な状況じゃねぇか、こりゃ燃えてくるね」
「案ずるな、連邦には今のところ量産型のモビルスーツはないし宇宙では戦車も使えん、飛行機だけなら俺たち二人でどうとでもなる」
「違いない」
戦いの話になると、さっきのいざこざも忘れて素直に会話できる。
我ながら単純で良かったと思う。
無論、デシーカだけでなくバゼットも単純だからこそなのだが…。
……………………………
「ただいま…」
無事に重力圏を出て見渡す限りの星に目を奪われ、思わず呟いた。
スペースノイドのデシーカにとっては宇宙が故郷である。
泣きたいほどに綺麗な景色だった。
「重力圏を出た、06-Fのパイロット二人はパイロットスーツを着用し、モビルスーツで待機してくれ」
(追撃部隊が来たら仇は取らせて貰うぜ…!)
「仇討ちなんて馬鹿なことは考えるなよ、生き残ることだけを優先しろ」
「何も言ってねぇのに人の心を読むなよ!」
「読んだわけじゃない、お前にまで死なれちゃ困るから念のために忠告したまでさ」
「俺は生き残る」
「あぁ、そうしてくれ」
RGM-79 : RGM-79 地球連邦軍量産型汎用モビルスーツ、ジム
06-F : MS06-F ジオン公国軍量産型汎用モビルスーツ、ザク
07-B : MS07-B 重力下白兵専用モビルスーツ、グフ
09 : MS-09 重力下汎用モビルスーツ、ドム
今日もラーメンが美味しくて幸せです。
きっと明日もラーメンは美味しいので、明日も私は幸せです。