空が曇り今にも嵐が起きそうだ。
高樹真は運転しながらそう思った。
「はあ 」と真はため息をつき、右手で左肩を揉んだ。
彼は制限速度を20キロ近くオーバーし、高速道路の右側ぼ車線を走っている。
高速道路を下り料金を払い、近くのコンビニの駐車場に止まった。
その後、携帯を取り出し「AK」へ連絡した。
留守電サービスに切り替わったので、真は思わず舌打ちをした。
彼は琵琶湖別荘地という看板を見つけ、その方向へ車を動かした。
何キロか進むといくつかの建物が見えた。
その建物の真ん前に駐車場があり、ワゴン車とベンツが置いてあった。
真はそこに車を止めた。
真は車をロックし、あたりを見渡した。
どれも都会では見られない光景に思わずうっとりした。
建物の隣に屋根付きのテーブルが見えた。
そこには何人かの男女がトランプで遊んで居た。
一人の女性がこちらに気づき、近づいて来た。
「あら、早かったわね」
「悪かったな」
「ご主人ですか」小太りの女がいった。
「高樹と申します。いつも英子と勇気がお世話になってます」深々と頭を下げた。
「ああそうですか。とりあえず中に入ってください」と中年の男。