車ゲーの頂点として

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数ある車ゲーの中でも,ドライビングシミュレーターという新しいジャンルを確立した本作は,PS2というハードの中で最高点に達したようだ。

ゲームでは異例の,自分が運転しないモードが取り入れられている。

長所も多いがその分短所も数えきれない。

B-specの最高進行速度は,当初5倍速の筈だったが,何故か3倍速にされ発売された。
北米版のようにピットイン時のA/Bspecのドライバー交代。これが無い日本版で24時間もの耐久レースに1人で挑むのは,プレイヤーの事を何も考えていないとしか言いようがない。
余程の暇人でなければ出場出来ないだろう。
更にハードの発熱も想像できる。
かといってBspecのまま放置しても何も面白くもない。


更に,グランツーリスモシリーズではお決まりの,レースカーの手抜き。NSXならNSXで,全て同じボディに,違うペイントをしただけ,実際はチーム毎に異なるパーツなのだが…
レースカー関係で言うと,ゲーム中でJGTCやDTMを再現するのは良いが,出場するマシンの年代がバラバラなので雰囲気が崩れ,リプレイやフォトを撮影しても不自然な画になってしまう。

山内氏は「新しい物理シミュレーションエンジン」と言っているが,本当に車が物理的な動きをするならば,300kphで壁に衝突するとボディは弾け飛び,爆発炎上しかねない筈だ。
そうでなくとも,横転しそうになった車が一定の角度で傾きが止まるなど考えられない。
NPCのマシンは断固として決められたラインを譲らず,大袈裟かもしれないがレールの上を走っているようだ。
自車だけに課せられるペナルティにも納得いかない。
その他にも,スリップストリームを明らかに誤認識したミッションレース等々…


しかし先にも述べたように,短所と同じ数だけの長所はある。
車を意のままに操る爽快感は言葉では表現できない。
総合的に見れば,やはり車ゲーの頂点を行く最高峰の作品だろう。
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