最近、どこかのYahoo記事を読んでそう思われてしまいましたか?むしろ戦闘ヘリは航空機の中では地対空ミサイルにもっとも強いと言えます。
地対空ミサイルは大きく分けて二つあります。レーダで敵を見つけ誘導するレーダ誘導式ミサイル、敵機の発する熱などを追いかける熱源、赤外線追尾式ミサイル。
レーダ誘導式は大きな車両に搭載され、レーダを積んだ車両とセットで運用される大掛かりなもの。
有名なパトリオット対空ミサイルの場合、射撃管制車輌、レーダー車輌、アンテナ車輌、複数のミサイル発射機トレーラーなど10台で構成されます。
※https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%AA%...
大掛かりな分、レーダで24時間監視することができ、射程も100キロ以上と長く、遠くの敵機を探知し迎撃することが出来ます。
熱源や赤外線誘導式ミサイルはミサイル発射機だけあれば、発射した後はミサイルが勝手に追尾してくれるので簡単に運用できます。
一般的には射程は短く、有名な肩に乗せて撃つタイプの携帯式ミサイルであるスティンガーミサイルは4キロまでの敵機を迎撃することが出来ます。
※https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%...
ただ難点としては敵機を見つける手段は撃つ兵士の肉眼に頼るしかないため、肉眼で見えない相手には手も足も出ない。また発射機なども小型でバッテリーなどが短時間しかもたないため24時間発射態勢にしておくことはできない。
つまり敵機の来る方向や時間が分かっていて、待ち伏せるような状態でないと有効に使えない。
そのため一般的な防空態勢は・・
?まず敵機をレーダが探知してレーダ誘導ミサイルが遠距離で迎撃する。
?携帯式ミサイルはレーダから敵機の来る方向を知らせてもらい、迎撃を掻い潜った敵機を近距離で待ち伏せて迎撃する。
・・・という互いに連携した二段構えの態勢を取るのが一般的です。このような防空態勢を敷かれると戦闘機などの航空機は簡単には接近できない。
しかし戦闘ヘリはこれを突破することが可能です。
レーダの弱点は地面近くの低空はレーダ波が地上に当たって乱反射するクラッターが生じるため探知できない死角になっています。戦闘ヘリはそこを地形を這うように飛行できるため、パトリオットなどのレーダではまず戦闘ヘリは探知できません。
携帯式ミサイルは申し上げたように敵機を見つけるのは肉眼に頼るしかありませんので何キロも先の森やビルに隠れながらミサイルを撃てばそうそう発見できるものではありません。
実際に湾岸戦争では開戦初日や地上戦開始の際、イラク軍の防空レーダや発電所をAH-64アパッチが破壊し、その空いたレーダ網の穴から多国籍軍航空機がイラク本土になだれ込みました。
もし戦闘ヘリが対空ミサイルに無力であればレーダ施設の破壊などに使わないし、湾岸戦争やイラク戦争で大量に撃墜されていたはずです。AH-64アパッチなどが湾岸戦争などで挙げた多大な戦果を見れば戦闘ヘリは今でも十分有効であると分かります。
戦闘ヘリは地上攻撃機と同じくらいの攻撃力を持ちながらレーダに探知されない超低空を森や建物などに隠れながら目標に接近し攻撃が出来る。
地上部隊にとって無力どころか発見も迎撃も困難なもっとも恐ろしい存在です。
だからこれだけ対空ミサイルが発達した現代でも戦闘ヘリは使われているのです。