少なくとも本編は糞ゲーではないと思う(FDは毎度の事ながら質が低いですが、まぁ、それはいつものことですし)。
ただし、【一般的な乙女ゲームとはちょっと違う】面が多々あるので、「普通の乙女ゲーム」を期待してプレイするとコレジャナイ感があるかもしれません。
下記、特徴や留意点まとめてみました。
●記憶を失った主人公が”自分の恋人と思わしき人”と過ごし、記憶を取り戻しつつ、自身に迫る危機に立ち向かうお話です。
…つまり、一般的な乙女ゲームのように【イケメンとの出会い⇒お互いを知る⇒困難に立ち向かう⇒両思い⇒ハッピーエンド】、という流れがありません。
出会いがしらにキスされたり、いきなり甘い台詞が乱発されたりするので、プレイヤーとしては今一つ入り込めない状態(置いてけぼりというか)になることがあります。
プレイヤーはキャラのことを知らないし、主人公も記憶喪失で彼に対し疑心暗鬼に陥っているので甘い台詞もどこか不気味に感じてしまう。
●主人公が空気
…ほとんどの乙女ゲームに言えることですけどね。
記憶喪失主人公は、自身と一体化した妖精・オリオンの助言を得ながら行動をすることになるのですが、殆どの行動決定・頭脳労働はこのオリオンがやってくれます。
主人公はさながらオリオンに操られたマリオネット状態です。
このオリオンが的確なツッコミをしてくれるので「面白い!」と思える人もいれば、「しゃしゃり出過ぎで鬱陶しい!」と思う人もいます。
●主人公が死ぬバッドエンドがとても多い
●ヤンデレ要素がある
●パラメータ調整がしにくい(パラメータ確認画面がとても不親切設計)
等々。
個人的に一番の難点は一番上に書いたことだと思っています。
この作品、私は「読み物」としては充分に楽しめました。
しかしながら、いうなれば「女性向けサスペンス風ライトノベル」という雰囲気で、普通にイケメンとときめく恋がしたい!と思っているとコレジャナイ。
また、キャラクターが全般的に子供(精神的に幼いというか)です。
この作品を遊んでいて、サスペンス要素にドキドキし、先が気になってハラハラすることはあれど、キャラの魅力や乙女ゲームらしい要素でドキドキしたり、ときめいたりすることはありませんでした。
まぁ、それも、好みですから、人によっては充分ときめいたりドキドキできたりするのかもしれませんが。