ローリング内沢のゲーム イズ ノット オーバー
- Game is not Over -
ステージ181:麻雀ゲームは"リアル麻雀"を超えられるか!?
先日、ひさびさに小学校時代の友だちと会って"麻雀"を打ってきました。麻雀のルールを知っている人ならわかると思うんですけど、麻雀ってすごくよく出来た"遊び(ゲーム)"だと思いません? 運要素だけではなく、高い戦略性や他プレイヤーとの駆け引きなどが味わえ、さらに頭や指先を使うことにより、認知症の予防にも役立つと言われているんですよね。
役作りや勝ち負けの楽しさもありますけど、やっぱり麻雀の醍醐味って、"4人で卓を囲んで会話をしながら遊ぶ"という部分だと思うんですよ。いわゆるコミュニケーションツールとしての楽しさ、っていうのかな。
数々のゲーム機で、さまざまな麻雀ゲームが出ていますけど、なかなかこの"コミュニケーションの楽しさ"や、"リアル麻雀の空気感"が味わえる作品は少ない印象。むかしと違って最近ではネット対戦ができる麻雀ゲームも増えましたけど、どうしても顔と顔を合わせて表情を見ながら対戦するのには敵わないんですよねえ。
それと、ただフツーに麻雀が遊べるだけの麻雀ゲームなら、"リアル麻雀"の楽しさには到底追いつけないと思うんです。テレビゲームならではの何かしらの要素がないと、麻雀ゲームとしての価値が見いだせない。
たとえば、麻雀牌が見やすい画面構成や、操作しやすいインターフェイスはもちろんのことですが、局面に合わせて捨て牌を教えてくれる機能や、点数計算を教えてくれる機能、さらには麻雀を打っている臨場感が味わえる演出や、コンピュータキャラの個性付けなど、そういった要素がないと、「実際の麻雀のほうが楽しいじゃん」ということになってしまう。
もちろん、メンバーが4人揃わなくても、その代わりをコンピュータがやってくれる、という代打のメリットは大きいですが、それでもやっぱり苦労して4人集めて遊ぶ実際の麻雀のほうが楽しいわけです。
麻雀ゲームや将棋ゲームなどは、"コンピュータの強さ"や"思考能力の速さ"という部分が注目されがちですけど、もっと臨場感が感じられる"麻雀をやっている空気感"という部分に力を入れてほしいなあ、と思います。
で、臨場感という面では、昨今のFPSがすごくそれに力を入れていますよね。とくに洋ゲーのFPS。あたかもいま自分がその場にいるような演出や、仲間との連帯感といった部分を上手に醸し出してる作品が多い。FPSと麻雀ゲームはまったく違うゲームですけど、上手に融合させれば、新機軸ゲームが生まれそうな気もするんですけどねえ(笑)。
ライター経歴
ローリング内沢
1970年、東京生まれ。ライター、エディター、コラムニスト、ゲーム批評家。ゲーム情報誌『週刊ファミ通』、『ファミ通Wave』(ともに株式会社エンターブレイン)の編集者を経て、2000年よりフリーとして活動。得意分野はゲーム、クラブミュージック、グラフィックデザインなど。また趣味が高じて、クラブDJとしても暗躍中。
過去のコラム
- 2月13日
- イギリスの老舗ゲームメーカーが放つ『RACE DRIVER GRID』
- 2月6日
- ゲームはすでに”遊び”ではない!?
- 1月30日
- レースゲームファン以外にも遊んでもらいたい、『ミッドナイトクラブ:ロサンゼルス』
- 01月23日
- 麻雀ゲームは"リアル麻雀"を超えられるか!?
- 1月16日
- 『Grand Theft Auto: CHINATOWN WARS』の日本発売はいつ?
- 1月9日
- 年末年始休みに遊んだゲーム
- 12月26日
- 2008年のマイベストゲーム!
