着実に進む日本での「TERA The Exiled Realm of Arborea」(以下TERA)サービス開始準備。NHN Japanは12月20日プレス向け初公開試演会「TERA MEDIA DAY」をNHN Japan本社にて実施した。
日本版ビルド初公開となった今回の体験会では、日本版ローカライズ作業が進んでいるTERAの新しい構想が明らかになった。
また、キャラクターの作成から序盤エリアでのソロプレイ、パーティープレイ体験から得られたTERA独自の世界観、操作性とその魅力をお伝えしたい。
究極のファンタジー世界観をもったフル3DMMORPG
リアルを越えた最高級のグラフィッククオリティーを誇るTERA。
その圧倒的な表現を実現しているのは、ゲームエンジン「アンリアルエンジン3」による開発だが、それだけではなかった。
デザイナーが細部までこだわり抜いて生み出した表現そのもののクオリティーの高さにも注目したい。
建築物の装飾、室内の小物などはフィールドの世界観に合わせて設定が細かく、鮮明に描かれており、そのフィールドの全景はプレイヤーを圧倒するリアリティを超えた美しさがある。
開発技術に加え、作り込まれたデザインと深いストーリー性により次世代MMORPGとしての土台が築かれている。
さらにTERAは、戦闘、コンテンツ、コミュニティ3つの要素において、新しい試みと挑戦を行っている。
□戦闘:ノンターゲッティングからフリーターゲッティングへ
戦闘は、ワンクリックで相手をターゲッティングして攻撃する一般的なものとは違い、ターゲットせずに立ち回る「ノンターゲッティング」システムを起用しているといわれていたTERAだが、ノンターゲッティングからフリーターゲッティングへの変更が発表された。
しかし、特に仕様が変更されたわけではない。
もともとTERAにはスキルを使用する際、ターゲットを指定できるものがある。
たとえばアーチャーのスキルにある「貫通射撃」の効果は、『矢は最大約15mまで、最大6人の相手を貫通してダメージを与える(※貫通射撃レベル2の効果)』、この6人を自分でターゲッティングすることができる。
ターゲッティング要素があることから、ノンターゲッティングではない、
また、ターゲットを選択する楽しみ方も従来のMMORPGにはない画期的なシステムを導入していることから、新たにフリーターゲッティングと呼ばれることとなった。
実際にソロプレイで体験したところ、移動は従来のMMORPGで使われているW・A・S・Dキーを使用するなど、基本は変わらないのですぐになじむことができた。
NPCとの会話、アイテムを拾う動作はFキーを押すだけで行うことができるため、基本的に対象をクリックすることがなく、クリック作業がない分、操作にストレスがかからない。
戦闘では、ターゲットに近づく、もしくは敵の方向にむけて攻撃することで戦闘がはじまる。
画面に表示されているスコープでターゲットをねらうことができ、それを対象に合わせることにより新たな動作が可能になる。
スキル使用時に連動スキルアイコンが画面に表示されるなど、スキルコンボアクションの操作も簡単に行えた。
敵の攻撃は自分の動き次第で回避ができるため、フィールドMOBの動き一つ一つも細かい。突進スキルを使うとき目が光るものもいる。そういった細かな動作に注目することで戦闘をより効率的に楽しむことができる。
□コンテンツ:クオリティから広がる多様性
幻想的なグラフィックで実装されたファンタジーワールド、その圧倒的なスケールの世界がクエスト、トレジャーハントなど多様なコンテンツを利用する上で、ストーリーへの共感を生み、キャラクターの成長を後押しする。
TERAには様々なコンテンツ要素があるが、プレイヤーがまず最初に触れるコンテンツはキャラクター作成だろう。
今回は実際にキャラクター作成を行うときの流れを紹介したい。
最初にキャラクター新規作成を選択するとロード画面になる。
余談だが、ロード画面にもこだわりがあり表示される絵はアートとしても見ごたえがある。
その後、種族選択画面に変わり、全7種族から選択することができる。
種族の種類は、ヒューマン(♂♀)、キャスタニック(♂♀)、アーマン(♂♀)、ポポリ(♂)、エリーン(♀)、バラカ(♂)、ハイエルフ(♂♀)
種族にもデザイン段階から細かい設定がなされたそうで、それぞれ体格がまったく異なる上に特有のボディラインがある。
また、各種族によってカスタマイズ要素も違う。
次のステップでは、8種類のクラスからクラス選択を行う。
クラスの種類は、ウォーリアー、ランサー、スレイヤー、バーサーカー、ソーサラー、アーチャー、プリースト、エレメンタリスト。
各種族、性別、クラスによってモーションが違うため、80種を越えるパターンから自分の好きな組み合わせでキャラクターを作成することができる。
さらにここから、カスタマイズで顔や髪型髪色、ボイス選択が可能。体格は変更できない。
種族によって体の大きさがまったく違うが、戦闘時の当りの範囲は変わらない。
顔は細部まで設定することができ、顔の輪郭、目、鼻、口において、眉の突出具合、あごのサイズから目つき、鼻筋など、合計で30箇所を1〜32の幅で設定することができる。
かわいらしさ満点の種族、エリーンは髪型によってうさぎやリス、ネコなど、しっぽと耳がかわる。
ボイスは6種類とバリエーション豊富。
こうして、オリジナリティーあふれる自分だけの分身をつくることができる。
□コミュニティ:競争と協力、仲間と一緒にプレイすることで得られる快感
コミュニティ要素は『対コンピューターとの協力と競争』『ギルド等グループ間の協力と競争』『政治システムにおいての協力と競争』と大きく3つにわけられている。
中でもプレイヤーが多く利用する機会があるのはパーティプレイだろう。最大5人のプレイヤーとパーティを組むことができる。
今回は3人パーティで序盤エリア『黎明の島』のボス『カラスチャ(レベル11ボス)』の討伐を体験した。
ボス登場前にムービー映像が入るのだが、ムービーとプレイ時のグラフィックに差はなく、臨場感あふれる戦闘を楽しむことができる。
序盤のボスとは思えない巨体。動きは鈍そうにみえて、ボスは部屋のすみからすみへ躍動感ある動きで移動する。
モーションにもプレイヤーを圧倒する迫力があり、緊張感のある戦術的パーティプレイを堪能することができた。
戦闘中チャットでコミュニケーションをとる余裕がない分、ワンクリックで指定の言葉を発言するなど、戦闘時のコミュニケーションツールも導入されている。
ボス攻略後、新たなエリアへの移動が可能になり、TERAの世界が開かれていく。
エリア間の移動ではペガサスに騎乗し空を飛ぶことができる。
TERAには4つの大陸(初期では2つ)があり、各大陸にいくつかのエリアがある。そのエリア別に領主を選出するなどといった政治システムもコミュニケーションを楽しむ大きな要素になりそうだ。
また、ソロ体験プレイを行ったエリア『黎明の島』には、NPCがいる町とフィールドの間などに『たき火』といわれるものがあり、そばに行くとHPとMPが回復する。
『たき火』によっては火のついていないものがあり、『たき木』というアイテムを使用することによって『たき火』になりそばにいる仲間と共に回復することができる。
このようなフィールド上で他プレイヤーと交流できるTERA独自のコミュニケーションエリアも設けられていた。
日本版ビルド初試演の範囲は序盤エリアのみであったが、TERAの膨大なスケールの世界観と、その完成度の高さ。フリーターゲッティングMMORPGの快感、それらをプレイヤー同士で共感できる充実したコミュニティ要素を垣間見ることができた。
次世代MMORPGとしてTERAが日本のオンラインゲームの常識を一新する日も近いかもしれない。
気になるのは今後のスケジュールだが、1月の正式発表を待って欲しい。
予定では、1月末からユーストリームにTERAチャンネルがオープンし、TERAのライブ配信がスタート、その後定期的に放送される。
また、2月末から3月にはTERA LEADER向けの体験会が予定されている。