─── 全ては社を壊したところから始まりました。
“菅野風羽”は月宿(つきやど)高校に通う1年生。
その日は先輩の“法月”、同級生の“広瀬”らと共に、部活の一環で何故か『月宿の七不思議』についての聞き込みをしていました。
特に面白そうなネタを拾える訳でもなく、刻一刻と無駄に流れていく時間。
「あー、そーいやうちの学校に変な社あったねー。あれでも調べてみるー?」
という適当な流れになり、その実物がある渡り廊下へ。
そこにはクラスメートの“葉村”と“空閑”の姿がありました。
が、特に2人とも仲良くもないので挨拶もそこそこにフィールドワークを開始。
お目当ての社は若干古臭く、鍵も掛かっていない様子。なのに扉が開きません。
錆び付いているのだろうかと社の扉をこじ開けると、なんとあっけなく崩壊。
その瓦礫の中から薄汚れた“何か”が見えます。
現実逃避しそれをぼんやり眺めていると、その“何か”から煙が出始めました。
「もしや毒ガスか!!」
渾身の力を込めて遠くに投げ捨てるものの、“何か”はちゃっかり帰って来る始末。
結局その“何か”から出た煙に包まれ……気が付くと少女達はカエルになっておりましたとさ。
── 続く ──