新年初めから大型オンラインゲームのニュースがゲーム市場を揺さぶっている。『TERA』はこれまで15年間受け継がれてきた韓国MMORPG市場に「第三の波」を起こそうとしている。

『リネージュ』で始まったレベル・アイテム中心のMMORPGが、『ワールドオブウォークラフト』を通じてクエスト・ストーリー中心へと変化し、『TERA』によってまた変化が起きようとしているのだ。

まずコントロールに変化を与える。既存MMORPGではキャラクターレベルが最も重要な要素だった。レベルはオンラインゲームにおいて「身分制」の様な概念を持ち、レベルが高いユーザーが既得権を占め、レベルの低いユーザーは面白さを感じる事が出来ないといった部分があった。しかし、『TERA』ではレベルやアイテムよりも操作とアクションを強調している。レベルが高くても操作が未熟であれば戦闘で勝利する事は出来ない。反対に操作さえうまくすれば自身より強力な敵に一度も会う事なくゲームをクリアする事もできるのだ。

タバコ片手にマウスだけでクリックするという単純な操作では適応することは難しい。レベルの高いユーザーではなく操作の上手いユーザーが認められる為ゲームはスピード感があり躍動的になる。また、操作パターンも多様で、実際の戦う時のように距離や方向、攻撃タイミングを繊細に図らなければならない。

経済コンテンツ面もこれまでとは違っている。特定の権力者による横暴が可能な環境が防がれている。力を持った強者がオンライン世界を支配する不合理な構造を改善し、ユーザーがみな政治に参加できる民主制が原則となっている。リーダーは一般ユーザーの意見を反映してゲーム中の税率等を定めなければならず、金持ちキャラクターが多くの税金を納めなければならない累進税制度が導入された。ユーザーの投票によって最高権力者である執政官が選出され、連合議員を選出し執政官をけん制し各種製作を決めることになる。

戦闘の基本であるパーティプレイにも変化を起こしている。一人一人ががむしゃらに戦うのではなく、敵を引き連れる者や回復する者、盾で防ぐもの等各自が与えられた役割をこなし、刻々と変わる戦況に応じて多彩な戦略を駆使してこそ敵を跳ね除ける事ができるのだ。これまでのように強いキャラクターを中心とした戦闘方式から抜け出して、チーム全体が一番となって動く必要がある。

『TERA』はこれまでの成長中心の方式になじんでいるユーザーにとって違和感を覚えるかもしれない。それだけ『TERA』は多くの「実験」を行っているタイトルであると言える。このタイトルの結果が今後のゲーム市場の流れをどの様に変えて行くのか非常に楽しみな所だ。